新iPod touchが3年間出なかった理由、それは「iPod」のアイデンティティーである音楽の進化にあった?

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3年ぶりに新しいiPod touch発表されました。プロセッサはA5から64ビットアーキテクチャのA8チップに。カメラは5MPから8MPに。そして6色展開だったカラーリングは、最近のアップルで恒例のスペースグレイ、シルバー、ゴールドの3色と今年トレンドカラーらしいブルー、それとピンクです。

3年。3年です。僕らは3年間新しいiPodを待っていました。iPhoneがあっても、ハイレゾが勢いを増しても、iPod classicがなくなっても、iPodを待ち続けました。iPodが音楽プレイヤーの象徴だからです、僕らにとっても、アップルにとっても。そしてついに発表されたのが、第6世代の新しいiPod touchです。

驚きがない? 3年も待たされたのに期待はずれ? それとももうiPodは自分には関係のない話でしょうか。

かつて5GBのHDDで自分のミュージックライブラリすべてを持ち歩けると謳い、世界中の音楽ファンを熱狂させたiPod。次第にHDDがフラッシュメモリに変わり、クリックホイールはタッチパネルに変わりました。動画が見られるようになり、Wi-Fiに接続できるようになり、ブロック崩しやソリティアだけじゃないゲームや、たくさんのアプリ。いろんなことができるようになりました。

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つまり、どれだけ音楽が好きで、iPodが好きで、何台目かわからないiPod classicをオークションや中古屋で探したり、Amazonで何台もストックを買ったりしても、結局ただのノスタルジーでしかありません。iPhoneとは違う、iPodにしかないアイデンティティー(例えば指をくるくる回すあれ)を求めてもそれはもう無理な話です。だって今のiPodは、動画が再生できてゲームで遊べて、アプリもたくさん使える、表面だけ見ればiPhone 6を少し小さくしただけのiPodなんです。これが事実です。

別に新しいiPod touchが期待はずれだなんて言ってません。iPodを音楽プレイヤーではない、モバイル通信を取り去ったただ不便なiPhoneにしてヘビーな音楽ファンの道具を奪ったというのも間違った解釈です。アップルは音楽に強い情熱を持っている、さらにいいものにしようと思ったと言っています。その答えがApple Musicです。

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大事なのはここです。新しいiPod touchはA8チップを搭載することで、最新のiOS 8.4に対応しました。ですがiPodの歴史を見れば、これは、Apple Musicに対応したと言った方が自然です。

iPodは音楽をデジタルファイルで扱うようになった時代の音楽プレイヤーとして登場しました。iTunes Music Storeが成功し、音楽をネットで購入・ダウンロードする時代になると、iPodはWi-Fiを搭載して音楽をダウンロードできる音楽プレイヤーに進化しました。そして今、iPodは、Apple Musicが誕生し、定額料金で数万曲の音楽を楽しむようになった時代の音楽プレイヤーに進化したんです。

つまり、iPodは人の音楽の聴き方が変わるタイミングで進化する、まさに音楽プレイヤーで、Apple Musicに対応したiPod touchは間違いなくその最新型です。

チップの処理速度やカメラの進化よりも、人の音楽の聴き方に合わせて進化するiPodと、そのアイデンティティー。これが3年間アップデートされなかった理由でもあるんじゃないでしょうか。

source: アップル

(鈴木康太)