グーグルがその気になれば選挙だって操れる

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検索エンジンは国をも揺るがす

Don't Be Evil(邪悪にならない)」とはかつてのグーグルの標語ですが、所々で不満はあれど、確かにグーグルは邪悪ではないかも知れません。しかし著名な精神科医のRobert Epstein氏は、グーグルが求めるなら、検索アルゴリズムをいじるだけで民主主義を崩壊させることができると指摘しています。

Politicoの記事によると、先日発表された米国科学アカデミー紀要にEpstein氏の研究結果が掲載されました。共同研究者であるRonald Robertson氏と共に彼はKadoodleというニセの検索エンジンを作り、検索結果が個人の投票にどう影響するのかを調べました。

被験者は、検索結果のランキングが「候補Aに有利」、「候補Bに有利」、「どちらの候補でもない」の3つのグループに無作為に振り分けられ、各候補の簡単な紹介を受けた後にそれぞれの候補をどれだけ気に入り信頼したか、そしてどちらに投票するかと質問されました。その後、私達の作ったグーグル風検索エンジン、Kadoodleを使ってそれぞれの候補について調べる時間を15分間与えられました。

Epstein氏によると、検索結果が意図的に有利になった候補の方が好感度も信頼も高く、より投票されやすくなったそうです。Epstein氏とRobertson氏はこれをSearch Engine Manipulation Effect(SEME、検索エンジン操作効果)と呼んでいます。

今回の実験は、議論を呼んだ昨年のSEMEに関する研究から続いているもので、架空の候補ではなく本物の候補と本物の有権者で行われ、検索ランキングは投票先が決まっていない有権者の15%以上に影響するという結果になりました。

「効果の大きな影響力を鑑みると、インドの大統領選挙の結果を決めたのはグーグルという可能性もある。」とEpstein氏は結果に厳しい言葉を述べています。確かにそうかもと思うかも知れません。グーグルによる検索結果はどこかに現れるでしょうし、私達が消費するメディア全てがそうであるように、それは人々の考え方に影響を及ぼすでしょう。Epstein氏は、グーグルがいかにアルゴリズムを変えて選挙の流れを操作しうるか、可能なシナリオにまで言及しています。

しかし、ガーディアンがインドの大統領選の際に指摘したように、「グーグルが選挙に影響を及ぼす」というのは「グーグルが意図的に、あるいは悪意を持って選挙に影響を及ぼす」のとは違うのです。グーグルは単に、人々が求める答えを提供しているだけだと答えるでしょう。

でも決してあり得ない話ではないのは確かです。グーグルはネット中立性など様々な政治的問題に関して一定のスタンスを持っています。また選挙の結果が会社の経済に大きく影響するでしょう。逆にもしグーグルが本当に完全な中立を貫き、彼らの持つ技術を利用して政治に一切干渉しないとするなら、もしかしたら初めての一切バイアスの無いメディア企業となるのかも知れません。

source: Politico and PNAS

Mario Aquilar - Gizmodo US[原文

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