リニア、ハイパーループは本当に未来の鉄道となれるのか?

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未来の鉄道はリニア、ハイパーループ、それとも...?

近年の都市化現象はめざましく、2050年までに輸送量(旅客の人数 x その旅客を輸送した距離)は3倍になるとも言われており、既存の道路ではこの増加量をカバーしきれません。そんな中、より多くの人を効率よく運ぶことができる鉄道が、今後の社会の支えとなるでしょう。未来の鉄道として、リニアモーターカーハイパーループなどさまざまな提案がされていますが、はたしてこれらは本当に未来の鉄道となりえるのでしょうか?

磁気浮上式リニアモーターカー

強力な磁力を利用して前進する磁気浮上式リニアモーターカー。車両と線路に設置された電磁石は車体を浮かすと同時に、壁にぶつからないようガイドの役目を果たします。ドイツで開発されたこのテクノロジーは、現在中国の浦東空港と上海市内の間で使われており、その最高速度は430km/h

現在、リニアモーターカーの開発にもっとも取り組んでいるのは日本かも知れません。新幹線の成功で世界各国に影響を与えた日本は、その次の世代の先駆者にもなろうとしています。超電導リニアの開発は数十年間続けられていましたが、ついに東京と名古屋を結ぶ計画が始まり、実現すれば約1時間で移動することが可能に。永久磁石や通常の電磁石を用いたトランスラピッド式とよばれる上海のリニアと異なり、日本で開発が進められている超電導リニアはさらに強力な超電導磁石を使うのが特徴です。

磁気浮上式リニアモーターカーは技術的に可能である一方、商業利用に関して疑問が残ります。日本でリニア導入にかかると言われているコストは約9兆円。既存の鉄道路線に接続することも不可能で導入や運転には多大なエネルギーを必要とします。このコストの問題が未来の鉄道となるための大きな障壁となります。

ハイパーループ

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音速の1,225km/hよりほんの少しだけ遅い1,220km/hで走行可能なイーロン・マスク氏が提唱するハイパーループ。30秒ごとに新たなポッドが到着するというアイディアはとても魅力的です。減圧された直線的なチューブ内をポッドが浮上して進むというのがコンセプト。推進方法はリニアモーターカーと同じ原理ですが、こちらは車体を浮かす方法が異なります。車両の前面に設置されたファンで空気を吸い込み、それを底面から圧縮排出することで車体を浮かします。架線いらずで必要なエネルギーは搭載されたバッテリーとソーラーパワーでまかなうことが可能です。

とても挑戦的なアイディアですが、イーロン・マスク氏なら本当に実現するかもしれません。未来の鉄道のようにも思えますが、マスク氏はハイパーループを鉄道、車、船、飛行機に続く第5の交通手段と位置づけており、鉄道とはまた別の交通手段として捉えているようです。

ただ実際のところ、ハイパーループは比較的平坦で直線的にチューブを設置できるロサンゼルスとサンフランシスコを結ぶことが前提となっているため、世界でも同様の技術が使える地域は限られてきます。ハイパーループが実現に至ったとしても、土地環境に依存するため、鉄道の代わりとなることは難しいでしょう。

リニアにハイパーループ、他には?

現実的には私たちのほとんどが既存の技術とそう変わらない鉄道を利用していくことになるでしょう。イギリスは今後数十年間を見越して日立から高速鉄道を122編成受注しており、修繕は必要となりますが2050年までは使い続けることができます。

また、鉄道にかかわらず交通機関のオートメーション化はさらに進むことが予測されます。車両の自動運転はすでにいくつかの路線で実用化されており、今までより短い間隔で運転することが可能となりました。さらに将来ほとんどの主要路線は互いに乗り入れることができるようになり、同時に輸送可能な人数も増え、サービスの向上につながるでしょう。最終的には線路上の信号の数も減り、新しい路線のレイアウトもより単純になります。そのため今後は、いかにエネルギー効率よく鉄道を使うかが鍵となるでしょう。例えば、エネルギー貯蔵システムや、より高度な変電所はより効果的な鉄道システムを支えていくことになります。

リニアモーターカーやハイパーループは一見、未来の鉄道の姿のように思えます。しかし既存のインフラシステムを活かすことが難しいので、導入にはコストの問題もあります。日本で実現する予定のリニアモーターカーはコスト以上の利益を生み出し、新幹線のように世界に影響を与える存在となれるのでしょうか?

Top image by Maryland GovPics/Flickr

Second image by Hyperloop Transportation Technologies

Roberto Palacin - Gizmodo US[原文

(kazoomii)