3D Touchから見えるアップルのユーザーインターフェースの未来

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発表前より噂されていたiPhone 6Sの「3D Touch」インターフェースが正式に発表されました。ただのForce Touchでもフォースフィードバックでもないこの機能を、ユーザーの視点とハードウェアの面から見ていきましょう。

入力に反応してバイブするフォースフィードバック機能は、Apple製品の一部(例えばMacBookにも)だけならず、他のライバルスマートフォンにもついています。でも3D Touchはそれとはまったくの別物。フィル・シラーさんいわく「iPhoneで経験したことのない」、「ディープで新しい」体験となるとのことです。

それってつまり…どういうこと?

タップすると何が起きてどう感じるの?

ユーザー視点で3D Touchを見てみましょう。3D Touchには指を使ってのスクリーンとのインタラクションに、新たにふたつの深みを加えます。それが、タッチの深さを識別してそれに応じて「Peek」と「Pop」という別々の機能を使うことができます。たぶん一番よく使うこととなる「Peek」(覗き見)では、タッチした時にプレビュー的なウインドウが現れ、選択しているメールや、ウェブサイトやマップへのリンクからその中身を垣間見ることができます。「Pop」では選択中のコンテンツの中身へと移動することができます。この「Peek」と「Pop」を組み合わせることにより、タップの回数を減らして、スマホとのインタラクションをよりシンプルで素早くすることができるというわけです。

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クレイグ・フェデリギさんがデモで最初に見せてくれた使い方は、メールボックスを使ったものでした。メールを「Peek」して内容を覗き見て、より深く押し込む「Pop」でメールを開きます。「Peek」ではSafariのページやフライト情報などのコンテンツも「ポコッ」とウインドウを表示して覗き見ることが可能。

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デモで紹介された別の例ではマップ内で「Peek」や「Pop」を使ってピンをつけたり、その場所の詳細を表示したり、そこへの行き方を表示させたり、といった使い方を見ることができました。

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サードパーティーアプリの開発者もこの3D Touch機能を使うことができます。例えばデモで紹介されていたのはInstagramの「Explore」タブから投稿写真を「Peek」で覗き見ることができ、「Pop」で投稿を完全に開くといった具合です。「Peek」も「Pop」もどちらを行ったときにもハプティック(触覚)フィードバックがあります。言い換えればそれらの動作をしたときに小さくバイブするようになっており、自分が何をしているのか感覚で反応が返ってくるようになっています。

中身はどうなってる?

ただのタップとは違う、第2の、第3のタップをスマホの小さなスクリーンで行うとなると、きちんと一貫性のあるシステムになっていないと混乱してしまうユーザーも出てくるはず。だからハードウェア部分はしっかり作られていないといけません。

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ユーザーが触るiPhone 6Sを覆うガラススクリーンは、ほかのどんなスクリーンとも同じように、タップすると顕微鏡レベルで歪みが生じます。ジョニー・アイヴさんによれば、iPhone 6Sでは静電容量センサーの層がバックライトの裏側に配置されており、スクリーンを触るとこのセンサーがガラスとバックライトの間の「顕微鏡レベルの」距離の差を測定するとのこと。

つまり3D Touchは、あなたが指がめり込むほど画面を押し込んでいるのか、それとも普通に押し込んでいるのか、はたまたさらっと軽やかにタップしているのかの違いを、どれだけスクリーンがゆがんでいるかで識別しているわけですね。

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次はハードウェアのバイブする部分をご紹介。

スマホの画面をタップすると「ブルっ」とくるのはスマホの中に入っているハプティック・アクチュエーターが振動しているから。アップルが「Taptic Engine」と呼ぶiPhone 6Sに内蔵されたそいつは、Apple Watchのバイブを生み出しているものと似たものです。これは言ってみれば一文字状のアクチュエーターで、一度の作動で一回ブルっと震えるようになっています。でもこれがまたとってもとっても精巧に作られているんです。アイヴさんによれば、このTaptic Engineはたった一度の振動でフルパワーに達することができるんだそう。それに対して普通のスマホに入っているアクチュエーターだとフルパワーを出すには10回ほどの振動を起こさないといけないんだそうです。

つまるところ、このTaptic Engineはタップに対して非常に素早く振動でフィードバックを返し、同じだけ素早く振動を止めることができるというわけなんです。

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これらのハードウェアが組み合わさってできたのが、ユーザーのインタラクションに対してこれまでよりも手際よく感覚によるフィードバックを与えることのできるインターフェイスです。「Peek」したときに返ってくるのは10ミリ秒の振動、「Pop」だと15ミリ秒の振動が指先に感じられるようになっています。きっと今後はハプティック・フィードバックも多種多様なものが生まれることでしょう。理論上は、精巧なアクチュエーターであれば、カスタマイズされたきめ細かな反応をするようにプログラミングすることもできるはずです。同じように、6Sの内部の静電容量センサーのレイヤーもより微妙な差異を認識するようにすればタッチによるインタラクションにまた新たな段階を設けることも可能なはずです。

そしてそれがアップルのハプティック・フィードバックが未来のインターフェースとなりえる理由です。なによりも、アップルが重きを置くのはハードウェアのデザインです。アップルのように、ユーザーが見ることはまずないであろう、デバイスの中にあるナットやボルトなどの細やかな部品に至るまで、幾度となく洗練を繰り返すことは、ほとんどの企業にはまず不可能なこと。ハプティック・フィードバックを採用したのはアップルが最初ではありませんが、アップルは持ちうるハードウェアとその製造の専門知識によって、最高のハプティック・フィードバック体験を作り上げようとしているのです。

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Kelsey Campbell-Dollaghan - Gizmodo US[原文

(abcxyz)