パソコンが売れないのはアップルのせい? 新型iPadで仕掛ける次の一手は…

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アップルが「iPad Pro」で起こそうとしている大革命とは?

パソコンは「ガラケー」化するか

思えば、iPhoneが登場するまでは、キーパッドを搭載するガラケーことフィーチャーフォンの全盛期でした。数字の並ぶダイヤルキーパッドで親指入力の早打ち……。よくあんなもので長文のメールを打ったりしていたものだなと、 我ながら感心して懐かしく思い出してしまうユーザーだっているでしょう。

ハードウェアキーのない全面タッチパネルの携帯電話なんて、流行るわけないでしょう? iPhoneが初めて世に出たころは、そんな見方が大半を占めていたようにも思います。でも、いざふたを開けてみれば、iPhone人気から、対抗するAndroidスマートフォン陣営にまで火がついて、すっかりガラケーの存在感が薄まってしまいました。

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iPhoneの登場でガラケー市場は一気に危機に瀕する事態に追い込まれました。一方で、その後に登場したiPadによって、もっとも大きなインパクトを受けたのはPC市場かもしれませんよね。クリエイターやプログラマーなど、仕事上パソコンから離れられないというユーザーは別でしょう。ただ、インターネットやメール、SNSをチェックして、オンラインで映画や音楽、ゲームを楽しめたらいいという、ライトなPCユーザーは、iPadの購入後、パソコンを本腰を入れて使う機会が減ってしまう経験をしてきました。

それを受けて、世界のPC出荷台数はここ数年、減少の一途をたどっています。IDCガートナーなどの調査会社が発表してきたレポートでは、Windowsパソコンの出荷台数は、2012年以降は下がる一方に。タブレットでの利用を意識したWindows 8、さらにはWindows 10が発売されても、いまだにPC市場の復活を印象づける好調な売れ行きは記録されないまま、2015年も終わりを迎えるという悲観的な見解が各社から出されていますよ。

実はタブレットを重視してきたWindows

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もちろん「iPadが発売されたのでパソコンが売れなくなった」と短絡的に結論づけることはできないでしょう。そもそも、多くの人のパソコンの利用スタイルそのものに変化が生じたとも考えられます。ただし、マイクロソフトは、決してWindowsでPC市場にばかり注力してきたわけではありません。古くはWindows XPの時代から、タブレットに最適な「Windows XP Tablet PC Edition」をリリースし、キーボードのないペン入力環境でも快適に使えるWindowsを志した過去まであるんですからね~。

そして、マイクロソフトのタブレットへの取り組みは、自社ブランドのSurface」シリーズの好調ぶりからも、一定の成果を上げてきているようです。興味深いことに、WindowsはPC市場では苦戦しても、タブレットOSとして大いに成功を収めるとの予測データまで出てきていますよ!

Surfaceシリーズを筆頭とするWindowsタブレットの好調ぶり、グーグルのChrome OSを搭載した「Chromebook」の快進撃が伝えられる一方で、このところiPadシリーズには、一時の勢いがみられず、販売台数の低下が懸念されてもいるようです。iPhoneは爆発的に売れまくるなか、iPadは今後も低迷傾向が続くのでしょうか? アップルはiPadの未来に、どのようなビジョンを掲げているのかな?

「iPad Pro」はどうなる?

そのヒントになりそうなのが、一連のiPad Proをめぐる噂にあるのかもしれませんよね。コンパクトな携帯性を無視し、12インチを超える大画面をアピール。おまけに、キーボードやマウスまでつないで、まるでパソコンみたいな感覚でも使える、マルチタスクに対応したiPadの新シリーズの登場! アップルとしては、同じようなサイズの製品に「MacBook Air」を抱えており、もしも噂のとおりのコンセプトでiPad Proなんて発売してしまったら、MacBook Airのシェアを食われてしまうことになるわけですから、よほどの覚悟がなければ、iPad Proなんて出せないかもしれません。

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とはいえ、好調な売上げが伝えられるSurfaceやChromebookに共通しているのは、タッチパネルでの入力環境とは異なる、いわば本格的なノートPCのようなハードウェアキーボードという伝統的な入力環境が用意されていることにあります。思うに、iPadが初めて登場したころとは異なり、最近は大画面のスマートフォンが主流というトレンドになってきました。コンパクトなiPadでしたかったことは、大型化したスマートフォン1台を持ち歩くだけでできるでしょう? でも、タブレットには、パソコンじゃなきゃできなかったようなプロフェッショナルな役割を求めたい……。

8年前、最初にiPhoneが姿を現わしたときに衝撃を与えたのは、ハードウェアキーパッドの廃止でした。キーボードがあることが普通であるパソコンに打撃を与えたのも、iPadの全面タッチパネルのデザインだったように思えます。でも、いま時代はハードウェアキーの復活を望むリクエストが強まりつつあるのかもしれませんよね。だからこそ、あのスマートフォン元祖のBlackBerryが、得意のQWERTY配列のキーボードを搭載するAndroidスマホで再起を図る路線や、わざわざ大型スマートフォンに向けて、快適な純正キーボードカバーを出してくるアイデアが注目を集めていたり~。

なにはともあれ、いつも業界に斬新なアプローチ多大のインパクトを与えてきたのがアップルです。まさにアップルヤバイぜ! いよいよ間近に迫った今週の発表イベントで、iPad Proを軸にして、どのような新時代をアップルが提唱してくるのか、大いに楽しみにして待ちたいと思います。

ギズモードは、9月10日午前2時からアップルの新製品発表会の情報をリアルタイムで更新します。iPhone 6sや新型iPad、新型Apple TVなどが発表されるかも。リアルタイム更新はこちらのページ@gizmodojapanで。当日は一緒に楽しみましょう!

source: アップル

(湯木進悟)