MIT、革新的な小型核融合炉の構想を発表

2015.09.09 10:50
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核融合エネルギーがついに現実のものに!?

MITの研究者たちが、革新的な核融合炉のデザインを発表しました。この核融合炉はトクマク型のボディーを特徴としており、新開発された希土類バリウム銅酸化物の超伝導テープを使用することで強力な磁場を作り出すことができます。強力な磁場により核融合反応を制御することができるので、核融合炉の大幅なコンパクト化が可能になります。

そもそも核融合反応とは、太陽のように自分で光を出して輝く恒星で起きている反応です。恒星の内部では水素原子からヘリウム原子が生成されており、この反応の際の膨大なエネルギーが輝きのもととなっています。従来の核融合炉は、この反応が起こる際のプラズマ(電離した気体)を制御するための磁場を発生させるために大きなサイズを必要としていました。このときのプラズマはなんと太陽の中心部と同じくらいの熱さであるといいます。

今回MITが発表した核融合炉は、先述した新開発の超伝導テープによりかなり強力な磁場を発生させることができます。その強さは従来のものの10倍程度の強さであるとのこと。これにより核融合炉を小型化できるだけでなく、燃え尽きることなく一定時間動き続けられるようにできるそうです(現状のものだとほんの数秒しか維持できないんだそう)。しかも、理論上はこのコンパクトな核融合炉で10万人の人たちに充分な電力を供給できるとのこと。

新しい核融合炉のもう一つの利点は、炉容器を取り囲む保護材を個体から循環可能な液体にできることです。これにより、これまで手間がかかっていた保護材の交換を簡単に行なえるようになります。手間が省けるだけでなく、コストの大幅な削減にもなるので一石二鳥ですね。

Tokamak Energy LtdのCEOであるDavid Kingham氏はこの発表に対し以下のように言っています。

核融合エネルギーは確実に22世紀の最も重要なエネルギー源になるはずです。ただ、地球温暖化を防ぐためにはもっと早くにこのエネルギーが必要です。そういった意味で、この研究はより早く核融合エネルギーを実現するためのよいヒントになるでしょう。


核融合の研究者たちの間では「核融合炉は30年で完成するよ。でも、いつまで経っても"あと30年"だけどね」なんてジョークもあるみたいですが、MITの研究者たちによるとこのコンセプトは10年で実現できるそう。ついに新しいエネルギーの時代がくるのでしょうか。


Image by MIT ARC team
source: MIT News

Maddie Stone - Gizmodo US [原文]
(阿部慶次郎)

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