なぜ犬じゃないの? ネットで猫が愛される理由は科学的に解明されつつあるにゃ

2015.09.26 14:00
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真顔で怒ってる? 不機嫌そうに見えるGrumpy Catをご存知でしょうか。

過去には映画の主役になり、最近ではマダムタッソー館の蝋人形になり、そして始球式にも出たことがある全米で大人気のにゃんこです。

その他にも、きょとんとした顔が特徴のLil Bub、日本発と噂されるNyan CatはYouTubeで謎のブームを巻き起こしました。

さらに今年は史上初CatConが開催されたり、ネットセレブ猫をつくるハウツー本だって世の中にはあったりするのだから、国内外での猫人気はまだまだ加熱中。そこで気になるのが、どうして犬じゃなく猫なの?

それはもうにゃんこのほうが可愛いから...? という犬派・猫派の議論からはひとまず離れて、もっと科学的に考察している人たちがいるようです。


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New York's Museum of Moving Imageは、ニューヨーク・クィーンズにある博物館。ここでは猫がネットの世界を支配するまでをテーマにした展覧が現在開催中。

展覧のなかでも、24分間にまとめられたループ動画に登場するのはネット上で話題になったにゃんこたちのオリジナル紹介動画アクション映画並みの動きを見せるにゃんこ、そして太っちょにゃんこ、壷に入れるか(2度目の挑戦)など、過去に人気を博した数々の猫ビデオ。



2007年にYouTubeに投稿してから、4100万以上のビューを獲得しているキーボードキャット Credit: YouTube


とはいっても、にまつわる動画だって過去に何度も話題になっているはず。

お喋り犬電話応対犬ハイな犬おめでたいバースデー犬などなど。

しかしDigital Trendsが指摘するには、犬の場合は個々に検索されるのに対し、猫の場合は口コミでシェアされて広がる傾向があるのだそうです。

また生態学的なアプローチで猫人気の解明に動き出した科学者たちもいます。彼らによると、何時間でも猫の動画を観ていられるのは、猫の行動習性が人間の心理にユニークに働きかけるためなのだとか。


にゃんこは人間をがっかりさせない


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Lil Bub poses at the 2013 Tribeca Film Festival. (Credit: Getty)


大抵の場合、犬はカメラ(もしくは飼い主)の存在に気付いていて、愛想良くしっぽを振るから、動画としては面白みに欠ける可能性があると同展覧では指摘されています。

対してマイペースな猫。人間に見られていることはつゆ知らず(あるいは知っているけど気にしていないのか)無邪気に遊んでいるところを撮られがち。それがしばしば人間をクスクス笑わせてくれて、次は何をしてくれるのか期待させてくれるのです。

感情豊かに表現できる犬よりも、何を考えているか分からないミステリアスな猫の勝利。


サメのかぶり物をしたにゃんこ、ルンバに乗ってアヒルを追いかける via YouTube


展覧のリード・キュレーターであるJason Eppink氏は、犬と猫の動画の違いについて"覗き見"にも関係があるといいます。

カメラに反応する犬に比べて、撮影に無関心でいて嫌がらない猫は、視聴者を気にせず振る舞うことから、じつは動画を介して人間たちは猫たちを覗き見しているような状態であると。そして人間は覗き見できる特権を無意識に噛み締められるのだからこの感覚が好き。


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ニューヨークToyfairにて自分そっくりのぬいぐるみに囲まれて休むGrumpy Cat(Credit: Shutterstock)


人間の感情を受け止めてくれそうなにゃんこ


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鏡の中の自分と見つめ合う猫Henri (Credit: YouTube


さらに心理学者の見解によると、もっとディープな人間の心理にも関係するようです。Dog SenseCat Senseの著者であり英ブリストル大学Anthrozoology Instituteの財団理事長であるJohn Bradshaw教授によると、人間は猫に自分の感情を投影する傾向があるのだとか。

感情がわかりやすい犬よりも、表情も行動もミステリアスなにゃんこのほうが、まるで真っ白なキャンバスのように、「きっとこう考えているのだろう」と描きやすいのです。

人間との関係性の歴史を辿ると、犬は飼いならされて2万年、猫は1万年であるとBradshaw氏はいいます。とはいえ時間の問題ではないと同氏は語ります。犬はペットとして飼われていただけでなく、狩猟番犬牧羊犬などの目的で人間によって訓練されてきました。でも猫は?

犬とは異なり、群れや他の動物とは離れて単独で行動するときに役立つ猫。特別な訓練を施すこともなく、ペストコントロールなどの目的で飼われることが多かったようです。これはカートゥーンでお馴染みのネズミ退治とかですね。

Eppink氏は、「猫って最初の一瞬だけ、自分との共通点を探させてくれる隙がある気がする。なのに次の瞬間には、完全にエイリアンみたいな行動をするんだ」といいます。忠実な犬は、考えていることが分かりやすい一方で、無表情な猫ほど分かりづらく、人は猫を擬人化して人格を見出そうとすることを同氏は指摘しています。


"いろいろな小さ過ぎる箱とねこ。"( Credit: YouTube


癒し系にゃんこの動画は国境を越える!...はず。


インターネットで猫ブームが高まる要因の一つには、文化的、そして地理的な背景も関係しています。

犬と猫のペットしての人気は今に始まったことではありませんが、AVMA(American Veterinary Medical Association)によると、あらゆるペットのうちアメリカで猫は30%、犬は36%ほどを占める人気具合。

もちろん日本でも、タレント猫のまるの圧倒的可愛さにハマる人や、猫カフェで癒される人がいる通り、日本人のにゃんこ好きの多さはいわずもがな。


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猫動画に反応する猫 source: Fine Brothers YouTube


一方で、Eppink氏の同僚でありデザイナーのAn Xiao Mina氏がウガンダへ旅行に行ったときのこと。そこには口コミでシェアされるような動物の動画がウケる文化こそあったものの、犬や猫の動画に対する反応はイマイチ。代わりにウガンダの人たちが喜んで笑ったのは、ヤギニワトリの動画だったのだそうです。

そこで流行っていたのは、長靴を履いたニワトリや、頑張ってジャンプする子どものヤギの動画など。猫や犬の動画で大笑いする人の姿は見られなかったようです。というのも、農地開拓文化の残るウガンダのような地域では、日常的にヤギやニワトリといった動物を目にすることが多いのだそう。

たしかに国や文化によって、動物との接し方は異なるもの。最も身近な動物に対して、人は犬や猫、ヤギやニワトリのなかに人格を見出すことからインターネット動画をシェアしたくなるようです。


インターネット動物Nyan Cat


New York's Museum of Moving Imageで展覧中“How Cats Took Over the Internet.”のリード・キュレーターEppink氏は、猫がペットとして可愛がられる限り、オンラインで人々がやりとりをするなかで、猫は猫としての愛くるしい役割を担い続けるだろうといいます。

にゃんこをはじめ、動物と触れ合ったときの不思議な癒しパワー。これからも世界中でシェアされながら、多くの人に愛される理由に関する科学的解明もまた一歩ずつ進んでいくのかもしれませんね。


Top image: YouTube

Bryan Lufkin - Gizmodo US[原文
(Rina Fukazu)

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