アマゾンの「プライム・ビデオ」&「Fire TV」が起こす静かなリビング革命に惚れそう

2015.09.25 22:00
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今日は何見る?

いつでもどこでも好きな動画が見れる、待望のサービス「プライム・ビデオ」が日本で始まりました。誰もが知っているハリウッド映画からクラシック作品、アワードを総ナメにした人気ドラマや子供向け番組までもれなくカバーする品揃えには、「さすがアマゾン」と脱帽したくなるほどです。何と言っても、これが全てプライム会員の年会費3,900円で見放題できるんですから、堪りません!

プライム・ビデオの日本ローンチに合わせて、アマゾンはなんとストリーミングデバイス「Amazon Fire TV」も日本向けに発表してくれました。動画見放題サービスがスマートフォンやタブレットの他にテレビにまで一気に広がるとなれば、映画やドラマ好きとしては気になって仕方がありません。行ってきた記者発表会では、アマゾンの動画サービスとデバイスの紹介に加えて、気になる日本のコンテンツの話もしてくれました。


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Amazon ビデオ国際部バイスプレジデントのティム・レスリー氏


まずは「プライム・ビデオ」の取り組み。本社から来日したティム・レスリー氏によれば、アマゾンの「お客様を大事にする姿勢」がコンテンツを提供するサービスの中にも息づいているとのこと。誰もが早く見たい作品をお届けします。今夏の話題作「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」や「ターミネーター:新起動/ジェニシス」もいち早くプライム・ビデオにやってきます。さらに、今年12月に公開予定のジェームズ・ボンド・フィルム「007 スペクター」もどこよりも先にプライム・ビデオで公開予定だそうですよ。

そして皆さんが気になる日本のコンテンツもアマゾンは日本のコンテンツパートナーと提携して届けてくれます。例えばテレビ番組の録画を忘れて見逃した!なんて時のために、放送終了後すぐにプライム・ビデオで見れる「見逃し配信」を用意しています。

またレスリー氏が強調していたのは、国内海外コンテンツの独占先行配信。前述の映画作品はもちろん、ゾンビドラマでは知らない人はいない「ウォーキング・デッド」のスピンオフ作品「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」、青年ハッカーが主人公の話題作「ミスター・ロボット」と、日本初公開の作品を先行公開。国内コンテンツの独占配信ではAKB48のコンサートシリーズや映画「しまじろうとおおきなき」などを独占配信していきます。


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本当にどこでも配信されていない作品が見たい!方には、アマゾンが制作するオリジナル作品をどうぞ。同社の制作スタジオ「Amazon Studios」が手掛ける作品は、ゴールデングローブ賞やエミー賞を受賞した「トランスペアレント」や「モーツァルト・イン・ザ・ジャングル」、「BOSCH/ボッシュ」などが含まれます。プライム・ビデオでは、これらの作品を日本で初公開していきます。


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さらにAmazon Studiosではウディ・アレンやスパイク・リーといった著名映画監督の作品、自動車番組「トップ・ギア」の元司会者3人組による新たな自動車番組などなど、これからも作品の数は増える一方。2014年だけでもアマゾンはコンテンツへの投資に13億ドルと巨額の資金を投入するほど気合の入れよう。

レスリー氏は、2016年には新しいオリジナルシリーズは40作品を計画しているそうで、なんとその中の20作品は日本のオリジナル作品になるというので、今後も目が離せません。


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次世代テレビ体験の塊、それがFire TV


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次に登場した製品管理、事業開発、アマゾンデバイセズ バイスプレジデントのピーター・ラーセン氏が、「Amazon Fire TV」の説明に移ります。


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これがFire TV。手のひらサイズなのに4K対応で、プライム・ビデオからHulu、GYAO!、Netflix、YouTubeなどのコンテンツが視聴可能です。なお4K対応のストリーミングデバイスは現状ではFire TVのみ。ご自宅に4Kテレビがある方ならすぐに高精細な映像がお楽しみ頂けます。


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リモートコントローラもシンプル。ラーセン氏は、「シンプリシティー=簡素なデザイン」を追求した結果、この形になったと、開発話を語りました。テレビのリモコンといったら、使ったことのないボタンが一杯で「これって全部必要なの?」な印象しかしませんが、このFire TVのリモコンを見るとそんなイメージが払拭されます。


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7万人以上の購入者が5点満点のレビューを残したFire TV。米Gizmodoの好レビューも発表会で紹介されていましたよ。


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ラーセン氏からはFire TVの特徴として、「高性能」「高画質」「簡単検索」「豊富な品揃え」の4点が紹介されました。特にアマゾンの開発チームが注力したのは、動画再生時の遅延を無くす徹底した再生スピード。他社サービスでよく見かける、再生ボタンをクリックしてからの「グルグル」。ラーセン氏は「スピナー」(Spinner)と呼んでいましたが、再生しても始まらないイライラから開放してくれる、超高速再生がFire TVで実現されています。

この即時再生は、アマゾンが開発した「ASAP機能」(Advanced Streaming and Prediction)というコンテンツを予測学習して見たい時に合わせて準備してくれる機能が採用されているそうです。Fire TVを使えば使うほどASAPも学習していくので、再生の正確性がより洗練されていきます。

Fire TVのスピードは再生ボタンをクリックした時だけではありません。作品をブラウズする時の横スクロールもヌルヌルで遅延することなく次々と作品の画像が表示されますよ。是非一度試してみてください。


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アマゾンはさらにスティック型の「Fire TV Stick」も発表しました。コンパクトサイズで持ち運びに便利。Wi-Fi環境さえあれば使えるので旅先でも使えそう。


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価格はFire TVが12,980円、Fire TV Stick音声認識リモコン付属版が6,480円、Fire TV Stickスタンダードリモコン付属版が4,980円。3モデルとも9月24日から予約受付開始、10月28日に発送予定です。ただしプライム会員でしたら9月24日から26日の3日間、お安く購入できるキャンペーンが実施されていますので、詳しい内容はサイトをご覧ください。

*全モデルは税込価格


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キーパーソンにインタビュー


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左:Amazon ビデオ国際部バイスプレジデント、ティム・レスリー。右:Amazon Fire TV担当ディレクター、ティム・トワーダール


来日したアマゾンの担当者2人に、プライム・ビデオとFire TVに込められたアマゾンのビジョンについて聞く機会を頂きました。そこには他社を意識する競争原理ではなく、徹底して考えぬかれたアマゾンユーザー中心の価値提供が製品開発にも反映されています。

インタビューさせていただいたのは、「プライム・ビデオ」担当のAmazon ビデオ国際部バイスプレジデント、ティム・レスリーと、「Amazon Fire TV」担当ディレクターのティム・トワーダールのお二人です。


***


ギズ:Fire TVが開発された経緯を教えてもらえますか? これは他社の動画配信サービスに対抗するために作られたのでしょうか?


トワーダール:アマゾンはカリフォルニアに「Lab 126」というリサーチ&デザイン会社があり、ハードウェア開発を行っている。詳しいことは話すなって言われているけど(笑)、製品開発のキッカケは「お客様に何を届けたいか、何が必要か」のビジョンを定めることから始まっている。この議論からどんな製品がお客様にとって最も価値を提供できるかを決めていくのがアマゾンのやり方だね。今回の製品はその成功例と言えます。


ギズ:Fire TVに込められた「アマゾンらしさ」を教えてください。


トワーダール:私達がFire TVで実現した「アマゾンらしさ」は2つあると思っている。一つは「お客様へのあくなき執着心」です。何が最も必要とされるかを徹底して追求し、製品開発を実現していく。二つ目は「選択肢」の豊富さだ。アマゾンはそれをウェブの世界で長年実現してきた。今はサードパーティを巻き込んで拡げている。そしてこれからはFire TVとプライム・ビデオではパートナー達と一緒に取り組んでいく。


レスリー:そこに3つ足してもいいかな? 一つは「イノベーション」だ。これはとても重要視している。Fire TVでは市場で唯一4Kに対応する最もパワフルなストリーミングデバイスを開発した。最後は「シンプリシティー」つまり全てをシンプルにすることです。シンプルさを追求すれば、体験は技術をも超える。最後は「価値提供」をすることです。


レスリー:アマゾンのレコメンデーションは、15年に渡って蓄積した日本のビジネスの知見と技術を使い、どんなテレビ番組や映画が好まれるかを常に分析しています。レコメンデーションを向上させるために、私達は利用者の全データを考慮して、最も関連性の高いコンテンツをお薦めしていくようにしている。同時に私達も日本の利用者がどんなコンテンツが見たいのかを学習してさらなる向上を図っていきます。


ギズ:日本のテレビ文化にFire TVはどんな影響を与えると思いますか?


トワーダール:Fire TVを通じて超シンプルでパワフルなコンテンツ視聴の体験を日本に届けられたことを嬉しく思っているんだ。例えば音声検索はコンテンツを検索する革新的な方法だと思う。待ち時間なく再生ボタンがクリックされればコンテンツが見れる環境がこれから存分に楽しめます。


トワーダール:Fire TVはオープンプラットフォームだ。SDKも用意している。多数のアプリもすでに揃っている。そして日本のパートナー企業の協力も得てローンチできました。Hulu、ニコニコ動画、GYAO!に今後は他の日本企業も続くでしょう。アメリカではローンチからわずか1年半でアプリのセレクションが17倍に成長した。日本でも同じ選択肢の幅を実現したい。


ギズ:最後の質問ですが、日本のクリエイターとのコンテンツ制作は、どの程度進んでいるのでしょうか?

レスリー:日本トップのコンテンツクリエイターと一緒に仕事がしたいね。日本人監督、脚本家、プロデューサー…一流のクリエイター達とオリジナルシリーズを作る計画が進んでいる。あと少しで発表出来ると思うから期待していてください!


***


プライム・ビデオとFire TV。それはサービスとハードウェアのバランス良い組み合わせで始まるのは、もはや日常的になってしまったいらいらやもたつきまでも解消してくれる、派手すぎない静かなイノベーションの第一歩。これは21世紀のリビング革命とも言えるかもしれないほどに、動画の見方だけでなく、もしかしたら日頃の生活が少しづつ変わっていくのかもしれませんね。


source: プライム・ビデオAmazon Fire TV

(取材/撮影:Yohei Kogami)

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