ロボットが、花のような存在になる日

Mugendai

ロボットが、花のような存在になる日 1

2015年もそろそろあとわずか。「今年のブームってなんだったっけ……」、なんて思わず“まとめ”に入りたくなる季節になりましたが、実は今、れっきとしたブームのまっただ中なんです。

それは、「第3次ロボットブーム」!(第3次スーパーロボット大戦、じゃないですよ)

1985年のつくば科学万博(懐かしい…!)を契機とした産業ロボットの普及を「第1次」、2000年前後のAIBOやASIMOの発表を「第2次」と位置付けると、まさに今、第3次ロボットブームなのだとか。2001年にフラワー・ロボティクスを創業し、ロボットベンチャーの先駆けとして歩んできた松井龍哉氏は、IBMの広報デジタルメディア「無限大(mugendai)」で、「ブームの背景には、かならず象徴的な出来事がある」と指摘します。

第3次ロボットブームの“引き金”、いったい何だと思いますか?

ロボットが生み出す、新しい価値観とマーケット

松井氏は、スマートフォンの爆発的な普及と、ネットワークの高速化・クラウド化が、3回目のロボットブームの背景にあると見ています。「ここ20年でさまざまな技術がコモディティ化し、ロボットを構成するパーツも安価になっています。以前よりもロボットを作りやすい環境が整いつつあります」松井氏はそう語ります。

3Dプリンターの普及で、プレゼンテーション向けの立体モデルが作りやすくなっていることも、ロボットベンチャー企業にとっては好材料なのだとか。

今後も急速な発展が見込まれるロボット産業。しかし松井氏は「無限大(mugendai)」において、「私自身はロボット製品そのものを作ることよりも、そのロボットによって生まれる新しい価値観、新しいマーケットをつくることが重要」だと語ります。そしてそれが、第3次ロボットブームの重要な点、とも。

松井氏が率いるフラワー・ロボティクスが、2016年に満を持して発売を予定している一般向けロボット「Patin(パタン)」には、その想いが強く反映されています。

照明器具にもプランターにもなる“スケート”

ロボットが、花のような存在になる日 2

フランス語でスケート(靴)を意味する「Patin」は、「靴くらいの存在感なら、家の中で動いても邪魔にならず、快適にその役割を果たしてくれるのではないか」という考えから生まれたそうです。

「Patin」がユニークなのは、“◯◯専用ロボット”ではないところ。「Patin」は本体(プラットフォーム)であり、そこにサービスユニット(既存の家電)をつなげることで、なんでもロボットになってしまうのです。

「すでに開発済みのユニットでは、照明器具やプランターなどがあります。たとえば照明では、住環境の空間を把握し、利用者の好みや習慣を学習したうえでPatinがライティングを考えて実行してくれます」(松井氏)

第3次ロボットブームの原因でもあるスマートフォンのように、ユニット(アプリ)次第でさまざまな機能を持つロボットが生まれることに。まさに、「無限大(mugendai)」の拡張性を秘めたプラットフォームといえそうです。

松井氏が開発中にずっと意識してきたのは、社名にもつながる「」なのだとか。

「これから必要なのは、存在しているだけで空間をトリートメントしてくれるというか、人や空間の関係を和らげてくれる要素を持つプロダクトだと思うのです」

そう、まさに、美しい花のように。

そのほか、「無限大(mugendai)」では、松井氏がなぜ自らがつくるロボットの頭文字に「P」をつけ続けるのか、ロボットをつくる人間に必要なものは何なのか、などさまざまな話に「花」を咲かせています。ぜひ読んでみることをおすすめします。

source: 無限大(mugendai)

(有賀久智)