最古の科学者であり、ローマ時代最恐の女毒使いロクスタ

最古の科学者であり、ローマ時代最恐の女毒使いロクスタ 1

歴史の表舞台には出てきていないものの、間違いなく影響力を持っていた人物です。

ロクスタという女性をご存知でしょうか。記録に残る最も古い科学者のうちの一人で、ローマ帝国の皇族たちに重宝された存在でもありました。そして、科学者たちに技術や学問を教える学校を設立したことでも知られています。今回はそんな一人の科学者、ロクスタに関するお話。実は一筋縄ではいかない彼女、そして彼女の弟子たちがどれほど恐ろしい存在だったかをご説明します。

ロクスタが歴史上で偉大な科学者であり、しかも比較的多くの記録が残っている紀元1世紀を生きていたにもかかわらず、彼女の働きについては未だ多くの謎に包まれています。その理由として、彼女の専門が事実上「」だったことが挙げられるでしょう。彼女はとても仕事ができる人間で、その界隈では有名だったようです。というのも、不都合な夫を持つ高貴な女性、アグリッピーナという人を助けたことで強力なコネクションを得ていたのです。ロクスタはアグリッピーナの夫の殺害、そして次なる夫へ嫁ぐ手助けをしました。その新しい夫というのがクラウディウス、ローマの皇帝でありアグリッピーナの叔父にあたる人物です。最初はアグリッピーナにとって都合のいい最高の夫だったクラウディウスも、後々に邪魔な存在となり(おそらくクラウディウスがアグリッピーナと前夫との間の子ネロではなく、自分の実子であるブリタニクスを後継にしようとしたため)、ロクスタは彼にも毒入りキノコを振舞うことになりました。

最古の科学者であり、ローマ時代最恐の女毒使いロクスタ 2

ロクスタはその後、今度はブリタニクスを排除するため、アグリッピーナの息子ネロに使えるようになります。この時点で、皇族たちがローマ最高の毒使いを囲っていたことは明らかでした。そしてネロの援助を得て、ロクスタは学校を設立することになります。彼女の生徒、新しい毒使いを養成するためです。その学校で、ロクスタと生徒たちは新しい毒を作り、その毒を人間や動物に試して効力を確かめていました。さらに毒を作るだけでなく、食べ物やワインなど、物に含まれる毒を見破る方法の研究もなされていたようです。

非常に興味深い彼女に関する詳細な記録が現存していないのがなんとも嘆かわしい…。ただ最近では、学者たちが彼女はなんの毒を使っていたか、そしてどのローマ帝国の貴人や有名人が彼女の手にかかったのかを明らかにしようとしています。一部では、ロクスタはシアン化物を使ってブリタニクスを殺害したと信じられていますが、実際のところ、よく知られているヒ素よりも植物をベースとした毒を使用したとする説が有力のようです。

まあ、ロクスタがローマの半ば公認の毒使いとして暗躍する人生は、運命によって決まっていたのかもしれません。彼女は非難され続け、数度にわたり処刑されようとしましたが、彼女の使い道を知っている一部の皇族たちによって守られてきました。しかしネロの死後、ついに処刑されることになります。ネロの後継者であるガルバによって死刑を宣告され、処されたのです。彼女の死はおそらく西暦68年だと言われています。

Esther Inglis-Arkell - Gizmodo US[原文

(SHIORI)