Surface Pro 4レビュー:優秀な2台目、でも言うほどパワフルじゃない

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クリエイティブ系の作業には、まだ物足りないんです。

日本では11月12日の発売が発表されたSurface Pro 4、先代よりますますパワーアップして楽しみな存在です。が、実際どの程度パワフルなんでしょうか? 動画や画像編集を生業としている米GizmodoのMichael Hession記者/カメラマンがレビューしています。

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マイクロソフトのSurfaceをどう捉えるべきか、まだ誰にもわかっていません。見た目はクールですが、どこかぎこちなさがあります。ある種のことには長けていて魅力もあるんですが、本当のところ誰向けのものなんでしょうか? 最新版のSurface Pro 4は先代のあちこちを洗練させたものですが、微妙な改善の積み重ねで、真に買いたくなるものに化けることもある…そう思っていました。

マイクロソフトは自社デバイスについて、特にSurfaceについては、コンテンツを作る人向けだと言い続けています。ポータブルでありながら、しみったれたアプリがちょろちょろ使えるだけじゃなくて、ちゃんとした仕事ができるものなんだよと。であれば僕はまさにその種の仕事をしてるので、仲間に入れてほしいんです。実際、僕の仕事(動画とか写真の編集)をスムースにさばくには、すごくパワフルなシステムが必要です。僕が今使ってるパソコンは15インチのMacBook ProのRetinaモデルで、しかもほぼすべてのスペックを最大の設定にしています。

もちろん、Surface Pro 4がMacBook Proに太刀打ちできるとは思っていません。MacBook Proが大きくて重いのには理由があります。GPUは別立てだし、RAMもいっぱい積んでいて、CPUもパワフルで、などなど。でもこの重いMacBookをいつも持ち歩くのはつらいんです。そんなわけで、もっと小さいSurface Pro 4を日々使ってみたらどんなものか、このレビューを実験の機会にしてみました。

写真・動画編集には?

今どきのパソコンでするヘビーなタスクといえば、アドビのアプリを複数同時に動かすか、グラフィックスの重いゲームをプレイするか(僕は全然しませんが)です。僕はLightroomとPhotoshopとPremiere Proを毎日使うので、Surface Pro 4にもそれらを最初にインストールしました。

今回レビューしたSurface Pro 4は、RAMが8GBで、プロセッサはIntel Core i5 Skylakeでした。僕個人でSurfaceを買うとしたら、全スペック(とカードの利用限度額)いっぱいに、つまりRAMは16GB、プロセッサはCore i7にするはずです。でもレビュー目的としては、プレーンなスペックにすべきでしょう。

ちなみに超スペックなSurface BookはGPUがメインのプロセッサと別になっていて、ヘビーなコンピューティング用にできています。ローンチイベントでもアドビのPremiereで4K動画を編集するデモを見せていました。でも僕は、もっとポータブルかつ手頃なSurface Proでどこまで行けるかを見たかったんです。

僕はまず、4K動画をいくつかPremiereで読み込んでみました。Surface Pro 4は、軽いHD動画編集だったら問題なくこなします。でも4K動画は2、3秒も再生しないうちにガクガクになり、困ったことになります。解像度を4分の1にしても、スムースには見られませんでした。

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Lightroomでの写真編集はだいたい問題ありませんでしたが、ハイエンドなコンピューターでのスピードにはとても及びません。それは想定内なのでいいとして、問題は、Surface Pro 4のトラックパッドが画像編集に向いていないことです。触れ込みでは、今回のSurfaceはトラックパッドとキーボードが先代りずっとよくなったと言われていました。たしかに改善はしてるんですが、必要なレベルには達していません。

でも僕はキーボードのキーには不満はありません。それはちゃんとしたキーボードみたいな感触で、Surface Pro 3で言われていたようなキーを押し込む深さ(浅さ)の問題とか、フニャフニャで使いにくいといったことは感じませんでした。でもトラックパッドは話が違います。今回はガラスのテクスチャーが心地よく、面積も広くなっているんですが、まだまだ改善の余地があります。指をおいてスクロールすると毎回かなりのラグがあって、動作を妨げられます。そのまま指をトラックパッドに置いておくと、続けてのスクロールは問題ないんですが、指をいったん離して再度置いた場合、最初のスクロールがいつも遅れてきます。このせいでSurface全体がどんくさい印象になっています。

左がSurface Pro 3、右がSurface Pro 4のキーボードです。

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このトラックパッドは、Lightroomのごく小さなスライダーをドラッグするといった作業に必要な滑らかさ、正確さがないんです。作業の流れが完全に断ち切られます。それから、かなりの圧力でクリックしなきゃいけません。Webを眺めているだけならクリックじゃなくタップでいいので、問題にはなりません。

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でもPremiere ProとかPhotoshopみたいなプログラムでは、クリックとかドラッグがつねに必要で、軽いタップだけでは使えません。このトラックパッドに指を押し付け続けるのは、かなりやりにくいです。もちろんUSBなりBluetoothなりで外付けマウスを使うという手段はあるんですが、それじゃSurfaceのポータビリティが台無しです。

この種のヘビーな作業に、僕がSurface Pro 4をメインに使うことはありません。誰もしないと思います。でもセカンダリ端末としては、一定の需要があります。軽くてポータブルな作りは、他にもカメラとか重い機材を持って臨機応変に動かなきゃいけない僕みたいな職種にとっては有意義です。ピンチのときに簡単な写真とか動画編集をするのには十分です。

ただ、セカンダリマシンに1000ドルかける人がいるのかってことです。ニッチとして存在はしていても、多くの人にとってどうなんでしょう、現実的なんでしょうか?

手書きへの愛

優れたスタイラスはSurfaceの魅力のひとつですが、僕が知る限り、使っている人はきわめて少数です。

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でも僕は、その少数の中のひとりです。僕はミーティングのメモも手書きが好きだし、Sketchbookみたいなアプリでカジュアルに絵を描くのも好きです。これは本当にSurface Pro 4の素晴らしいところです。ペン先の抵抗感が、前よりもっと自然になりました。スラスラにするんじゃなく、あえて引っかかりを付けています。引っかかりのレベルを調整できるように交換用のペン先もありますが、まだテストできませんでした。ペンのおしり側の消しゴムも特に使いやすく、手書きのスピードをさらに加速しています。

ただ大きな問題は、マイクロソフトが言っていたようなレスポンスの改善とか、圧力感度の向上が感じられなかったことです。Surface Pro 3と4を並べて比較したところ、たしかに良くなってはいるんですが、ほとんどの人には気づかないほどです。でも今までiPadで使ったどのスタイラスより、反応は良いです。SurfaceにおけるSurface Penと、来月出るiPad ProとPencilを比べてどうなのか、すごく興味深いです。

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マイクロソフトに注文を付けられるとしたら、Surface Penをもっと使いたくなるような工夫をさらに入れてくれればと思います。たとえばメモというのはパッと取りたいものなので、コンピューターを立ち上げて~OneNoteなりアプリを立ち上げて~と1、2分もかかっているのはよくないです。サムスンはGalaxy Note 5で、スタイラスをスライドするとメモ取り用ページが自動で立ち上がるようにしています。Surfaceにもこの機能があったら、アプリはサムスンのS NoteじゃなくOneNoteなので、もっと便利になるはずです。

それでも、Surface Pro 4で書く・描くという作業は、かなり心地良いものでした。ただ付属のスタイラスはなくしやすいので、交換のコストを織り込んでおいたほうがいいです。マグネットでくっつくようになって見た目的には良いんですが、弱すぎます。僕のSurface Penはしょっちゅう落ちていて、結局なくしてしまいました。前のキーボードに付けるタイプの、布製ホルダーのほうが良かったと思います。

馬車馬のようにはいかない

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重い動画編集とかじゃない作業は、何か問題が起きない限り、Surface Pro 4でスムースにいきました。ただその何かしらの問題が頻繁で、たとえばキーボードを開いてもトラックパッドがまったく検知されないこともありました。つなぎ直したり、再起動したりすることが何回もありました。2、3回ほどクラッシュもして、再起動には5分以上とか、も の す ご い 時間がかかりました。何でも一瞬でやらなきゃいけない今日この頃、それは永遠に匹敵します。

インターフェースのディテールがいまいち洗練しきれてない部分も散見されました。たとえばSurfaceをタブレットとして使っているとき、グループアプリのSlackでメッセージに返信しようとしたときです。タッチキーボードを立ち上げたら、それがSlackのウィンドウのテキストフィールドを覆ってしまいました。つまり、タイプしている内容が隠されてしまったんです。それからアドビのLightroomを使っていたときも、Core i5内蔵のGPUがうまく動かず、写真が表示されるべきところがブルースクリーンになってしまいました。そのときはLightroomのハードウェアアクセラレーションをオフにしたら、うまくいきました。

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ちなみに、Windows 10は本当に良いです。OS Xより良いと思います。僕は2007年くらいまでWindowsユーザーだったので、Windowsの操作の早さは懐かしいんです。Cortanaも予想外の場面で便利でした。たとえば「Hey Cortana, launch Control Panel(コントロールパネルを立ち上げて)」って、よく言ってました。

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新ブラウザのEdgeもまったく問題ありませんでしたが、かといってChromeから乗り換える理由もあまりありません。つねに触れ込み通りに動いてくれればいいのに、とは思います。

でもSurface Pro 4の真の競合は、MacBook Airです。軽くてポータブルで、日々の利用に耐えるだけのパワーがあるっていう端末です。問題は、マイクロソフトがつねにSurfaceをクリエイティブな仕事用だと見せようとしていることです。ほとんどあらゆるSurfaceのプロモーションで、ハイスペックを必要とするクリエイティブ系アプリが使われています。

でもその種の作業には、もっとパワフルなコンピューターが必要です。この実態と建前の乖離こそ、Surfaceが誰向けなのかわからなくしている要因です。マイクロソフトは、Surfaceがパワフルな作業用であるかのように見せかけるのをやめるべきです。Surfaceには、少なくとも今はまだ、無理なんです。もしかしたら最高スペックのCore i7+RAM 16GBとかなら僕が試したベーシックなモデルよりうまくできるのかもしれませんが、そんなに大差あるようには感じられません。

Surface Pro 4はMacBook Airとは良い勝負かもしれませんが、真の強みはiPadを超えるというところにあります。どこにでも持っていって、半分事務系、半分クリエイティブ系の作業ができるセカンダリデバイスとしては優れています。僕はWebとかニュース閲覧、メモ取り、映画鑑賞をしているときが一番楽しめました。Windows 10をもう少しタッチフレンドリーにして、ハードウェアがもっとスムースに動くよう調整されれば、Surfaceは真のラップトップキラーとなりうるでしょう。

でもヘビーな仕事をするなら、僕にはもっとパワフルなものが必要です(多分、みなさんにも)。

・Surface Pro 4スペック

ディスプレイ:12.3インチ

解像度:2736x1824(267ppi)

フットプリント:11.50 x 7.93インチ(約292.1mm×201.4mm)

厚さ:8.4mm

重量:約767g(Core m3)、約786g(Core i5/i7)

OS:Windows 10

プロセッサ:Intel Core M3~Intel Core i7(Skylake)

カメラ:全面500万画素、背面800万画素

アクセサリ:スタイラス、キーボードカバー(別売り)

バッテリーライフ:9時間

ストレージ:128GB~512GB

RAM:4GB~16GB

価格:900ドルから(日本の個人向け価格:12万4800円から)


Michael Hession-Gizmodo US[原文

(miho)