Wi-Fiで壁の向こうの人を透視する技術、MITが開発

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人や動作の識別まで…って!

マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究グループが、Wi-Fiの電波を使って壁越しに人のシルエットを透視できる技術を開発しました。シルエットから、その人が誰なのかを見分けられるくらい精細なんです。

MITのコンピューター科学・人工知能研究所は、2013年にもWi-Fiの電波の変化から壁の向こうの人間の動きを検知するソフトウェアを発表していました。それから2年間、彼らはその技術を発展させ、人間の体から反射されるWi-Fiの電波を元に壁の向こうの人のシルエットまで見られるようにしたんです。

それを可能にするデバイス、名づけてRF-Captureは、人間の手をトラッキングできるほど正確です。さらに何回か計測して、ある人のWi-Fiシルエットを覚えさせてしまえば、それを他の人と見分けられるまでになります。来月SINGGRAPHで発表予定の論文が、この研究グループのWebサイトで公開されました。

スナップショットからシルエットを構築

RF-Captureはどういう仕組みなんでしょうか? それは比較的ストレートなやり方です。RF-CaptureがWi-Fi電波を発すると、それが壁の向こう側に伝わり、向こう側にいる人の体に反射されて返ってきます。RF-Captureはその反射を捉え、ソフトウェアにそのデータを渡して処理するんです。この処理の部分がミソなんです。人の体や物体がいろいろな干渉の仕方をするからです。

まずチームではデータを一連のフレームとしてキャプチャし、ランダムに入ってくるノイズの影響を減らそうとします。「我々は時間横断で情報を統合し、データをモデルにフィットさせることで、ノイズを抑えています」研究員のひとり、Fadel Adiさんがメールで説明してくれました。「この動画を見ると、我々が時間的に連続するスナップショットを取って、その後人間のシルエットを組み立てているのがわかると思います」

次に彼らは、取得したデータを人体の特徴を検知するよう学習したアルゴリズムで処理します。「さっき取得したスナップショットを、我々が開発したアルゴリズムが、頭や胸、腕、足といった大きなパーツを持つざっくりした人体のモデルにあてはめていきます」とAdiさん。「つまり、再構築するシルエットがもっとも人体らしくなるようにスナップショットを組み合わせるということです」

RF-Captureは、Wi-Fi電波の反射からの少ない情報で、識別したものを安定的にトラックできます。あるときはそれは腕と頭かもしれないし、胴体と脚かもしれません。このシステムではそれらの断片を継ぎ合せることができ、そこから完全な人間のシルエットを作り出します。世界にはいろいろなタイプの体があると考えると、そのデータはもう少し精査できるかもしれません。

シルエットの特徴を捉える

このシステムでは、画像から得られる身長や肩幅などの特徴となる尺度を使って、壁の向こうにいる人を識別しています。

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このアルゴリズムでは、機械学習によって人と人の微妙な違いを見分けられます。「人体の再構築アルゴリズムで捉えた人間のシルエットを使って、シルエットを分類するアルゴリズムを訓練し、それによって人を見分けられるようになっています」とAdiさんは言っています。「分類アルゴリズムは、身長や体格といった特徴を捉え、人を見分けられるんです」

実験したところ、RF-Captureは15人を90%近い精度で識別可能だそうです。また別の実験では、RF-Captureが捉えているパターンを追ったところ、人間の手の空中での動きを正確にトラックできました。「手の動きのトラッキング精度は約1インチ(2.5cm)です」とAdiさんは言います。

プライバシーは大丈夫?

研究チームでは、この技術の応用方法をあれこれ考えていて、すでにお年寄りの家に設置するための見守りデバイスを開発中です。それは家の中を定常的にスキャンし、もしおじいちゃんが倒れたら、システムが自動的に救急車を呼んだりできるものです。

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RF-Captureの認識精度は今後もっと高められると期待されています。「我々は今後、ふたつの方向に関して非常に期待しています。ひとつめはより解像度を細かくして、シルエットをより正確に再現できるようにすること。ふたつめは、健康状態に関する理解を深めることです」

このプロジェクトに参加しているDina Katabi教授が言います。「たとえば、人間の指を壁の向こうからトラックできるでしょうか? RF-Captureでは、呼吸や心拍数もわかります。…この技術で心臓病の発見が可能かといわれたら、答えはイエスだと考えています。

そこまで検知できるようになれば、スマートホームに人の動きを検知させたり、ゲームを操作したり、動作によって家電を動かしたり、健康診断を受けたりといったことも可能…と彼らは言っています。

もちろん検知されたくないもの、つまりプライバシーもあります。研究チームではまず、この技術を使ったデバイスは何でも、たとえば上記の見守りデバイスでも、最初から暗号化しているといいます。「悪用されたくはありません」とKatabi氏は言います。

「プライバシーについては、ふたつの方向で対応中です。ひとつめは、自分のデバイス以外からトラックされないようにするブロッカーを作っています。ふたつめに、これらがいつ、どのように使えるかを決める規制が必要です。プライバシーはつねに一番大事な懸念点です」

images by MIT Computer Science & Artificial Intellegence Laboratory

source: MIT Computer Science & Artificial Intellegence Laboratory

Jamie Condliffe-Gizmodo US[原文

(miho)