SXSWで論争の的。3秒でわかるゲーマーゲート(GamerGate)問題

SXSWで論争の的。3秒でわかるゲーマーゲート(GamerGate)問題 1

だから、ゲーマーゲートって一体何なのさ?

SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)のゲーマーゲート問題を取り扱ったパネルディスカッションが脅迫のためキャンセルされ、それをうけて複数のメディアがSXSWをボイコットし、大手企業が広告をひきあげ、政治家も問題に言及して…。ネットカルチャー発のゲーマーゲート問題が、今アメリカ全体を巻き込んだ大きな社会問題へと発展しています。

一体、ゲーマーゲートとはなんぞや? 個人的な意見があり、どちらの主張側に立つかによっても見方が変わり、今も議論の真っ最中。さらに派生問題もあり、「ゲーマーゲートって〇〇だよ」と一言で言うのはとても難しい。ギズモード・ジャパン編集部&ライター間でも、その全体像が定義の意見が多少わかれていました。なので、ここで1つ、もーーんのすごく単純化してまとめようと思います。

ゲーマーゲートをもーーんのすごく平たく広い定義で言うと「健全で平等なゲーム社会のために、みんなで議論かわしていこうぜ!」ってなことです。しかし、これだけでは「人類が平和でありますように」なんてもので、なぜここまで大事になっているのかわかりません。

なぜ女性差別問題があがるのか? なぜ殺すとまで脅迫されねばならないのか? 全容を掴むには、もう少し読み解く必要があります。「GamerGate(ゲーマーゲート)」を掘り下げ、「#GamerGate(ハッシュタグゲーマーゲート)」と共に見てみましょう。

今、大きく取りざたされているゲーマーゲートは、主に「女性叩き・差別」がその中核にあると言えます。事の発端が、とある女性ゲーム開発者とその元カレ、そしてゲームライターの話(一連のこちら)だったからでしょう。なので、激化してしまったゲーマーゲート(GamerGate)の発端を、語弊を恐れずものすごーーーーく単純に言うと「ゲームの世界で、女が女であることを武器に優遇されようとしてない? なんかムカつくんですけど。叩こうぜ! えいえい!」です。

つまり、ゲーマーゲート=ゲーム業界における女性への攻撃というのがそもそもです。ここまで大事になってしまった理由は、このゲーマーゲートの攻撃がハンパなかったからです。女性ゲーム開発者などへのネット叩きや嫌がらせが凄まじく、殺害予告など非常に悪質なものも多くあり、事態は深刻なネットいじめと言えるまでに発展してしまいました。

しかし、ゲーマーゲートは女性差別だけの問題としては語れません。ゲーマーゲートをあと1段階掘り下げましょう。「Pro-GamerGate(プロゲーマーゲート)」と「Anti-GamerGate(アンチゲーマーゲート)」です。プロゲーマーゲートは、ゲーム業界におけるゲーム開発者とゲームメディアの関係に疑問を持ち、異議を唱えました。

これまた簡単に言うと「開発者とメディアって仲いいヤツ贔屓してんだろが、癒着あんだろが!」ですね。知り合いや、何か得となることをしてくれるゲーム開発者を、メディアがえこ贔屓して記事にしている、高評価を与えているというわけです。

さて、プロゲーマーゲートが、開発者/メディア癒着によるゲーム業界腐敗を叫んでいると、これに対抗するアンチゲーマーゲートな人々がでてきました。アンチプロゲーマーゲートは、プロゲーマーゲートの女性叩きに反対しました。事の発端が発端なだけに、ゲーム業界でえこ贔屓される理由の1つに「女」という武器も挙ったからでしょう、ここばかりに焦点が当てられてしまったのです。アンチゲーマーゲートが、プロゲーマーゲートの女性叩きを叩くうちに、ゲーム業界での女性差別問題が大きく取り上げられ、クローズアップされていくようになりました。何もアンチゲーマーゲートは、プロゲーマーゲートのすべてに異を唱えたわけではありません。開発者とメディアの癒着に対して同意することも多々ある上で、女性叩きに対してはやり過ぎだと止めたのです。

しかし、みんな人間ですから議論は激しく、時に暴力的にもなりました。ゲーム業界の癒着全体ではなくとにかく女性叩きをしまくる人、女性叩きの問題ばかりを取り上げて差別を厳しく非難する人。どちら側もある一部だけが激化して語られ目立ってしまい、それをまたお互い批判しあうとなってしまったわけです。全体を見れば、誰もがより良いゲーム業界を望んでいるだけなのに…。

さて、現代で様々な議論をする上でメインのステージとなるのがSNSです。ゲーマーゲートも例にもれず、もちろん多くの意見がポストされました。そこで用いられるハッシュタグが「#GamerGate」です。このハッシュタグが登場し、議論はより表立って活発に行なわれることで1つのムーブメントとなり、ゲーマーゲートはますます複雑化していきます。

プロもアンチも一緒くたに、ゲーマーゲートと言えば、ゲーム業界での女性差別やいじめを議論することという広い意味合いで、その言葉が使われるようになってきました。ハッシュタグのおかげもあり、今やゲーマーゲートという言葉は、ゲーマーゲート問題とも言える全体をさす意味合いを持ちます。ゲーム内での女性への扱いの不具を唱えるフェミニストや、その唱える人をバッシングする人、メディアがゲーマーゲートを調子づかせた問題、メディアとゲーム業界癒着してんだろ問題、そのメディアに広告だした企業へのクレーム問題、ネット叩きはいじめである問題と、すべてをひっくるめ複雑化多様化しているそのどれもが今やゲーマーゲートです。

さまざまな人々がこれまたさまざまな方面からの切り口でゲーマーゲートを語っています。今や、「ゲーマーゲート問題はなんと言っても叩かれる、スルーするのがベスト」なんて言われるほど、ありとあらゆる意見をもつ人が参加し、とてもセンシティブな問題となっています。

ゲーマーゲートは、今回のSXSWパネルディスカッションへの脅迫からのキャンセル問題、それに次ぐメディアボイコットでより大きくニュースとして取り上げられ、ゲーム業界やネット民以外の人の目にもとまるようになり、「いじめ」の一種として社会問題化しているのです。

3秒じゃ無理でしたが、まぁ3分…、いや3分強くらいでなんとかわかる「ゲーマーゲート」でした。

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source: TechRaptor,KnowYourMeme,新聞紙学的,AdertisingAge,The Guardian

(そうこ)