血の海でサバイバーが見たもの。パリ同時多発テロ目撃証言

2015.11.16 10:21
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13日の金曜日、パリを襲った同時多発テロ。
現場に居合わせた人たちの目撃証言がバイラルで広まっています。

カフェ

20mぐらい先のカフェから銃声が聞こえ、辺りを見回したら身長185cmぐらいある男が左肩に銃身の長いマシンガンを構えていた。 下には弾倉も見える。男は全身黒ずくめで、ブーツもパンツもジャンパーもタイト。ジッパーもなし。戦闘兵の身なりそのものだ。

左利きで3、4発続けざまに発射し、カフェの前に座っていた客を3、4人殺すと、向きを変えて車に発砲、運転席の窓ガラスが割れた。そして男はカフェに歩いて入り、左右に向きを変えながら連射を始めたんで、慌てて隠れた。

銃撃は15発か20発で止んだので、恐る恐る現場に戻ってみると、店の前で撃たれた3人の遺体はまだそのまま地面に転がっていた。撃たれた白の車では、通りがかりの人たちにドライバーが引き出されて電柱にもたれかかり息を引き取るところだった。150mぐらい去ったところで、現場に急行するパトカーと救急車と消防とすれ違う。これは早く家に帰って避難した方がいいと本能的に直感した。

ところがあろうことか、警察にカフェに連れ戻されてしまった。中には見るも無残な光景が広がっていた。けが人、重傷の人、死んだ人。全部で10人か12人ぐらいというところ。

救急隊が応急手当てをしている。遺体もある。胃を撃たれた男性もいて。ひどかった。店中血だらけで。驚いたのは、映画で見る血と現実に見る血が違うこと。現実の血は、もっと濃い。

螺旋階段を登って上に行くと、もっと沢山のけが人と目撃者がいた。

警察からは、逃走する車やバイクは見なかったか、と尋問を受けた。僕らは道で隠れていたので、ちょうど逃走ルート上だ。が、車の間に隠れていたけれど、そういうものは全然見なかった。署に同行して目撃証言をとられて、去ろうと思ったら、男の身柄はまだ確保されていないと言うではないか。家まで歩いて帰って大丈夫なのかって聞いたら、大丈夫なわけないだろって言う。

署内は目撃者で溢れ返っていた。長い列ができて。座ると、隣にいたのは別の現場からきた人たちだった。なんでも遺体の下敷きになって身動きがとれなくなって、最後は這いながら逃げたという話だ。遺体を背負って。誰もが恐怖に震えていた。(証言者・David Munkさん、source: The Guardian



こちらは道で爆発に遭遇した心理療法士Mark Colcloughさん(43)。サムスン携帯が破片を受け止め九死に一生を得た

仏独親善試合。自爆の男が入場を試みたが警備に見つかって場外で爆発炎上、試合中止に。場内にはオランド大統領とドイツのシュタインマイヤー外相がいた。



逃げ惑う人が窓から宙ぶらりんに。衝撃を呼んだイーグルス・オブ・デス・メタルのバタクラン劇場の映像(UPDATE:女性はお腹の子とともに無事) (c) ル・モンド


バタクラン劇場


you never think it will happen to you. It was just a friday night at a rock show. the atmosphere was so happy and...

Posted by Isobel Bowdery on Saturday, November 14, 2015


まさか自分に限って。誰もがそう思う。それは極ありふれた金曜の夜で、私はロックのコンサートにいた。会場はハッピーな雰囲気で、みんな踊って笑ってた。そこに男たちが正面入り口から入ってきて、発砲を始めた。みんな最初は演出の一部だと思った。でも違ってた。それはテロ。無差別殺戮だった。

目の前で何十人もの人たちが殺されていった。床は血の海。死んだ彼女の遺体を抱いて大の男が泣く。その慟哭がライブ会場をつんざいた。粉々の未来。悲しみに打ちひしがれる家族。一瞬で何もかもが変わった。ショックと孤独を噛み締めながら、1時間以上も死体のふりをしていた。大切な人の変わり果てた姿を見ながら横たわる人たちに混じって。息を潜めて、動かないように注意して。泣いちゃだめだ。こっちの怯える顔を楽しみにしている彼らに泣き顔なんか絶対見せてなるものかと思った。

私は生き残れただけラッキーだ。あまりにも多くの人が死んだ。みんな私と同じように、楽しく金曜の夜を過ごそうと集まっただけで、なんの罪もない人たちだ。この世界は残酷だ。あの男たちのイメージは空を旋回するハゲタカのように一生頭から離れないだろう。私はスタンディングエリアの真ん中にいた。男たちはそこにいるひとりひとりに照準を合わせて撃っていった。緻密に。人の命なんて全く意に介していない風だった。とても現実とは思えない。悪い夢を見てるだけだと、そう誰かに言ってもらいたかった。

唯一の救いは、この惨事でヒーローに巡り会えたことだ。ある男性は私がしゃくり上げてる間、頭をかばって体を張って守ってくれた。あるカップルが殺される前に残した愛の言葉は、この世界も捨てたものではないと信じる勇気を与えてくれた。何百人もの命を救ってくれた警察官。愛する彼が死んだものとばかり思って悲嘆に暮れる私を道で拾って、45分間ずっと慰めてくれた人たち。彼と思ったら人違いだった時には、その彼似の人がきっと大丈夫だからと励ましてくれた、自分も大変なのに。見ず知らずの人を家にかくまってくれた女性。血痕のついた私のトップスを見て、着替えを買いにいってくれた友達。励ましの言葉を送ってくれたみんな。世界はもっとよくなれる、こんなの二度と起こらない、そう今思えるのはみんなのお陰だよ。

でも一番のヒーローは中で殺された80人の人たちだ。彼らは今日こうして目が覚めることもない。悲しみに暮れる家族や友達の姿を目にすることもない。それを思うと申し訳なさで胸が詰まる。この心の傷が癒えることはないだろう。

彼らの最期に立ち会えたことを、私はとても誇りに思う。きっと彼らが最期に思ったのは目の前にいるアニマルじゃない。愛する人たちのことだ。見ず知らずの人たちの血の海に横たわって、銃弾がこの22年の短い生涯を終える瞬間を待つ間、私の脳裏をよぎったのは愛する人たち、愛を囁いた人たちの顔だった。何度も何度も、人生最高の思い出が蘇ってきた。残された人たちに、この愛が伝わりますようにと祈った。私たちがどんなことになっても人の善を信じる気持ちを失わないで欲しいと強く願った。あの男たちに勝たせてはならない。

ひと晩のうちに多くの人の人生が変わった。この先もっと人として良くなれるかどうかは残された私たちの選択だ。罪もない犠牲者が夢見ながら果たせなかった残りの人生をしっかり引き継いでいこうと思う。天使の魂よ、安らかに眠れ。私はあなたたちのことを一生忘れない。(証言者・Isobel Bowderyさん


video: The Independence
source: The Guardian, Isobel Bowdery

(satomi)

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