動物の形をしたザイロフォン、なぜ今までできなかったの?

2015.11.07 20:00
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確かに、すでにあってもよさそうなのに。

動物の形をした完璧な音色を奏でるザイロフォン。これを作り出す同じような研究や技術革新がMIT始めハーバード、コロンビア大学などの研究チームで行われてきました。そしてこの技術がいつの日か、電子機器をより静かにさせるのに役立つかもしれないんです。

不思議に思いませんか? どうしておもちゃ屋さんには今まで鍵盤が動物の形をしたザイロフォンが売られてなかったんだろうかと。実は、これを作り出すのは思ったよりずっと難しいんです。そもそもイディオフォン、ザイロフォンやヴァイオリンのような楽器自身が振動して音を出すものは、音程と共鳴振動数を完璧に合わせる熟練の職人技術が必要になります。素晴らしい音色を出せるヴァイオリンがものすごく高額になるのもこのため。

例えば、鉄の塊を適当にライオンの形にカットして、ハンマーで叩いてみても、それはそれはひどい音しか出ません。ちゃんとした音色にするために、Columbia EngineeringのChangxi Zheng氏率いる研究チームは、音響モデリング、コンピューターグラフィックス、古典的な機械工学、そして現代的な3Dプリントの確立された技術を組み合わせて、自動的に材木を曲げて特定の形、例えばライオンなどを形作るソフトウェアを開発しました。そして、それによって作られた完成形は正確な音階を奏でることができるのです。



しかし、出来上がりの形はオリジナルのデザインに忠実に作られるとは限りません。例えば、3番目の鍵盤として最初にデザインされていたのはかわいらしいアニメ調のゾウさんの形だったはずなのに、Eの音を出すためにGIFで調整された後の形は、全く違うものになっています。5番目の鍵盤はかろうじてライオンに似てるかなぁ…。でもこのソフトウェアは形どるだけが仕事じゃなく、あくまで鍵盤オリジナルの形と、正確な音階を奏でられるようにすることの、ちょうどいいバランスを探っていくのです。

とは言っても、こんなことは研究世界の外の人にとってみればそんなに重要事項ではないでしょう。もしかしたらすでに、スター・ウォーズ型のザイロフォンのおもちゃが生産されつつあるかも? そしてこのソフトウェアは他にも使い道があって、コンピューターのファンの羽の形を微調整し、未来のラップトップが起動中さらに静かになるようにするのに使えるかもしれないんです。もしくは、車の動くパーツの形を調整するのに使えば、共鳴振動数を減らし、座席にまで届く音が小さくなるかもしれません。

さらに、建築デザインでも使い道はありそう。例えば、などの振動を拡大したり負荷を増幅するのを防がなければならない建造物のデザインなどです。あのピュージェット湾にかかる悪名高いタコマナローズ橋みたいに、揺れてたわんで落橋、なんてことにはならないように、しっかり活躍してほしいですね。


source: MIT CSAIL

Andrew Liszewski - Gizmodo US[原文
(SHIORI)

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