iPad Pro、タブレットとしてレビュー:大きいことって、良いことだったんだ

まさに雑誌を手に取るような感じ。

iPad Proはラップトップの代替にもできるはず…ですが、すでに指摘されているように、まだそこまではできていません。じゃあタブレットとして、巨大iPadとしてはどうなんでしょうか? 米GizmodoのDarren Orf記者いわく、意外にも大きさは気にならず、むしろ他のiPadと比べても良いと思えるほどらしいです。以下、Orf記者どうぞ。

「ピンチしてズーム」は不要に

iPad Proの12.9インチスクリーンは、サムスンの12.3インチのGalaxy Note ProやHPの12.3インチタブレット同様、万人向けではありません。大きいということ自体はタブレットの中で新しくはありませんが、やっぱり違和感があって、敬遠したくなるかもしれません。ただソファとかベッドの横に置いておく以上のことをするならなおさらです。

それでもiPad Proは、普通にタブレットらしい使い方をしたい人にもおすすめできます。以下にその理由をご説明します。

iOS 9は、より大きなスクリーンのためにデザインされています。iOS 9のいろいろな機能は従来のiPad AirやiPad miniでもうまく使えますが、ピクチャー・イン・ピクチャーサイド・バイ・サイドのマルチタスキングは大きなスクリーンのほうがずっと使いやすいです。

ハートストーンをプレイしながらこの前の大統領候補のディベートをチェックするとか、そういうことも全部見られます。コミックをフルサイズで読みながら、メールやテキストメッセージをササッと送るのも簡単です。

それでも、これらマルチタスキング機能にはまだ改善の余地があります。Netflixアプリなどではまだピクチャー・イン・ピクチャーモードが使えず、マルチタスキング機能がフルに使えるのはほとんどアップル純正アプリだけに限られています。でもこれから、きっと使える範囲が広がっていくはずです。

iPad Pro、タブレットとしてレビュー:大きいことって、良いことだったんだ 1

iPad Pro、タブレットとしてレビュー:大きいことって、良いことだったんだ 2

iPad Pro、タブレットとしてレビュー:大きいことって、良いことだったんだ 3

iPad ProがこれまでのiPadより良い理由は、スクリーンの大きさだけじゃありません。スピーカーグリルも4つあり、音楽を聴くとき、Netflixを見るときによりリッチな音で楽しめます。長時間見ても疲れない角度に調整するのが(スタンドを買わない限り)難しいんですが、ビジュアル・サウンド両面で、これ以上のものはありません

でも僕がiPad Proで一番気に入ったのは、何かを読むときの快適さです。今はほとんどのメディアがデジタルになっていますが、iPad Proは僕が今までテストした中で一番使いやすいリーディングマシンかもしれません。スマートフォンで何かを読むときって、ピンチしてズームの連続です。9.7インチのiPad Airならちょっとマシですが、テキストのサイズが調整可能じゃなかったりすると、やっぱり完ぺきとは言えません。でもiPad Proでは、読むという体験がとても贅沢なものになります。

iPad Pro、タブレットとしてレビュー:大きいことって、良いことだったんだ 4

僕はこれまで雑誌の世界にいて、かつコミックが大好きなので、コンテンツの見え方はとても大事だと思っています。iPad Proでは、作り手の意図したままにコンテンツが見え、読めます。何かを読むためとかディテールを見るためにズームインする必要はまったくありません。そのため、雑誌や本やコミックを手にして、作られた通りの形で読むのと同じ感覚が可能になっているんです。

つまりiPad Proは、物理メディアを読む感覚は大好きだけど、デジタルの時代にもしっかり合わせたいという人には最適な端末なんだと思います。

大きさの代償

でも、ディスプレイが大きいことは良いところばかりではありません。アプリの中には、大きいスクリーンに最適化されていないものもあります。たとえばSpotifyは、iPad Proで動作すらしません。もちろんこれが永遠に続くはずはなく、そのうちアップデートされるんだと思います。でも、他の人がまだ使っていないものを使っていると、こういう問題に出くわすってことです。

立ち上がらないSpotify。

また、大きなディスプレイに向けて完全には対応しきれていないアプリもあるため、解像度の問題もあります。アップルのNewsアプリが良い例で、全体的にはiPhoneで使うよりもはるかに使いやすいんですが、他のWebサイトから挿入される解像度の低い画像は、大きい画面で見ると余計ひどいです。他のアプリでもこの問題は起こっていて、ボタンなどのUI上の要素も、ただ小さいディスプレイ用からスケールアップしただけみたいに見えます。

でもiPad Proの見た目で最大の問題は、ホームスクリーンのデザインがそのサイズに合っていないことです。アプリアイコンが巨大なスクリーンにスカスカに並んでいて、その間には膨大なデッドスペースがあります。使っていれば見慣れてはくるのですが、これくらいの問題はアップルの方で最初から解決しておいたほうがよかったんじゃないかと思います。

でもさらに大きな問題は、やっぱり物理的なサイズそのものかもしれません。タブレットとは本来持ち運び用に作られているものであり、ラップトップより小さく、でもスマートフォンより大きい、という位置づけでした。でもiPad Proは、旅行のともたりえるぎりぎりのラインです。でも僕は毎日ニューヨークの地下鉄で通勤しているので、15インチラップトップが入る大きなカバンを持っていて、12.9インチの薄いタブレットを持ち歩くのは別に問題ありませんでした。もちろんiPad Proは大きいので、一定時間持っていれば疲れてきます。でもこういうデメリットより、メリットの方が大きいと僕は思います。

iPad Pro、タブレットとしてレビュー:大きいことって、良いことだったんだ 5

で、使ってみてどう?

僕は予想外にも、iPad ProはiPad Air 2より良いと思いました。iPad Airは僕にとって、「ひじで支えるにはちょっと小さいけど、片手で長時間持つと疲れる」という、帯に短したすきに長し的中途半端なポイントを絶妙に突いていました。でもiPad Proは、大きい側に振りきれているから逆に楽なんです。それはただ単に、大きくて重いんです。昔ながらのクリップボードみたいに持つしかないので、使っているうちにだんだん慣れてくるはずです。

とはいえ、重さや大きさをどう感じるかについては人それぞれだと思うので、いきなり買わないでまずアップルストアで試してみるのが一番です。でも僕にとっては、出かけるときに持っていくタブレットとしては従来の小さいiPadとまったく変わりませんでした。

買うべき?

iPad Proは全体的に、タブレットとしては素晴らしく、仕事用としてはまあまあといった感じです。ラップトップの代わりにはならないと思います。ほとんどの人にとっては、今までのiPad同様に「欲しいけど絶対必要でもない補完的なデバイス」という位置づけをキープすると思われます。

iPad Proは、ベースの部分は今までのiPadと同じく、ソファサイドの本が21世紀的にマルチに使えるようになったようなものです。ただ、その点に関して従来のiPadより優れていると僕は思います。日頃雑誌とか本とかコミックをむさぼるように読んでいる人、でも紙の本は減らしたいという人なら、価格に見合った価値を出せることでしょう。

iPad Pro、タブレットとしてレビュー:大きいことって、良いことだったんだ 6

でもiPad Proは現状の機能性にとどまらず、これからさらに良くなっていきます。iOS 10では生産性向上アプリがもっと増えるし、サードパーティも大きなディスプレイに合わせてアプリをアップデートするはずです。

とはいえ最低800ドル(日本向け価格9万4800円から)するものなので、たいていの人が単なる読み物用デバイスにするには高すぎると感じるでしょう。でもスケッチブックとしても使えると思えば、もうちょっと価値が高まります。さらに仕事の中で、たとえばスケッチパッドやラップトップのライトな代わりとして使うなら、Apple PencilやSmart Keyboardを足して使えばOKです。

ともあれ、これからアップルがiPad Proをどう成長させていくのか非常に楽しみです。

iPad Pro スペック

OS:iOS 9

サイズ:12 x 8.68 x 0.27インチ(305.7 x 220.6 x 6.9mm)

重量:713グラム(Wi-Fiモデル)

ディスプレイ:12.9インチ 液晶Retinaディスプレイ

解像度:2732 x 2048(264PPI)

プロセッサ:A9x(モーション・コプロセッサ M9搭載)

カメラ:背面800万画素、前面120万画素

バッテリー:1万307mAhリチウムポリマー電池

RAM:4GB

ストレージ:32GBまたは128GB(950ドル)

セルラーモデル:あり

NFC:対応

指紋センサー:あり

価格:800~1080ドル(日本向け価格9万4800~12万8800円)

※Apple Pencil・Smart Keyboard別売り


Images and GIFs by Michael Hession

Darren Orf-Gizmodo US[原文

(miho)