ヒラリー・クリントンとアノニマスの対ISIS戦略がダメダメな理由

ヒラリー・クリントンとアノニマスの対ISIS戦略がダメダメな理由 1

民主党大統領候補のヒラリー・クリントン氏にはオンライン上でISISに対抗するためのプランがあるそうです。先日、米議会で提案されたトンデモなネット検閲戦略よりはほんのわずかだけマシかな、という案ですが。

クリントン氏は木曜日に行ったスピーチで、アメリカはISISに対してオンライン上でもっと攻撃的なるべきだと訴えました。彼女のデジタル戦略は二つの要素で構成されています。一つ目は、テロリストのオンライン上でのスカウト戦略を把握するために国務省のプログラムを拡大することです。これはまあ、良しとしましょう。

二つ目の案は大きくレールを外れています。

ソーシャルメディア企業は迅速にテロリストのアカウントをシャットダウンする役割を担うべきで、そうすればテロリストたちが暴力行為を計画、誘発し、また称賛するために使用できなくなります。

とクリントン氏はいいます。

テロリストのソーシャルメディアのアカウントをシャットダウンする、というのはアノニマスがISISとの「戦争」で使うのと同じ戦略ですね。そして、それは不正解です。

クリントン氏はソーシャルメディアプラットフォームにテロリストを追い出すよう要望していますが、グーグル、フェイスブック、ツイッターのような企業はすでに積極的に監視を行っており、疑わしいテロリストのアカウントを追い払っています。

フェイスブックにはテロリストたちの居場所はありません。テロリストたちやテロ組織にサイトを使わせないよう、精力的に監視を行っています。また、テロリズムを賞賛したり、支援するコンテンツの削除も行っています。

フェイスブックの報道担当者は米Gizmodoにそう語ります。

我々は15億人以上のコミュニティを有しており、何かふさわしくないことがあればすすんでレポートしてくれます。簡単にコンテンツを報告するための仕組みを用意しており、それが使われています。我々のグローバルチームは24時間体制で対応しています。テロリズム関連のレポートをふくむ、安全に関係するレポートを我々は最優先しており、迅速にレビューを行っています。

もちろん、もっと多くの人を雇えばユーザーからのフラグが立つ前にテロリストのアカウントを見つけることも可能でしょう。ですが、ISISのお気に入りの求人プラットフォームであるツイッターにおいてはアカウントを停止したところで何の抑止にもなりません

テロリストのアカウントを停止したとしても、その数秒後にはまた新しいアカウントが作られてしまうからです。クリントン氏の案にはどうやってより効果的にアカウントを停止するのかの具体策がありません。なぜならそんな方法はないからです。それがツイッター上でのアカウント停止が抱える問題点です。そもそも誰でも簡単に始められるようにデザインされたプラットフォームなので、根本的な改修をしない限り、誰かがアカウントを作れなくすることは簡単ではありません。

ISISのツイッター利用に関する最新のBrookings Instituteのレポートによれば、アカウントの停止は、効果がないばかりか負の側面すらあります。ISISのアカウントをソーシャルメディアから削除してしまうと、テロに関する情報収集を阻害してしまう恐れがあるというのです。これはクリントン氏が一方で主張する敵を知るための諜報活動を強化すべきというのと矛盾してしまいます。レポートでは理由をこう説明しています。

ISISのアカウントを調査することで明らかに有用な情報を得ることができます。非常に多くのアカウントがISISの活動地域に関するGPS情報を提供してくれるからです。

さらに、アカウントを停止することでテロリストたちの態度を硬化させてしまい、その結果、人々をISISの勧誘から引き離すことがより難しくなります。

「ISISのツイッターでの活動は初期の頃よりもかなり閉鎖的になってきている」とレポートにあります。「ISISのメンバーをソーシャルネットワークから切り離す時、勧誘をくい止めるための出口も同時に閉ざされてしまいます」。

ISISはインターネットをコミュニケーションとリクルーティングの手段として使っています。それは深刻な脅威で、すべての大統領候補者と議員が真剣に取り組む必要があります。ですが、ISISのアカウントをソーシャルネットワークから追い払うのは有効な戦略ではありません。有権者の不安を和らげようとして、それが有効な策であるように装うのは、クリントン氏のような政治家がいかに見当外れかということを露呈するだけです。

image by AP

resource: CSPAN

Kate Knibbs - Gizmodo US[原文

(TOMOYOSHI)