ロボットで雇用半減って悲観的すぎ。大事なのは人間が楽になること

2015.11.18 20:30
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ロボットが人間を、人間がロボットを補完するのだと。

ロボットが人間の仕事を奪うとか、っていうか奪ってるよとか、そんな話題が最近よく見られます。でもロボットって人間を破滅に追い込むために存在するんでしょうか? 米GizmodoのBryan Lufkin記者は、違う考え方みたいです。以下はLufkin記者による論考です。


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イングランド銀行が、今後10年から20年で、ロボットのおかげで雇用が激減するという予測を明らかにしました。その数は米国で8000万人分、イギリスでも1500万人分に及び、両国の労働者数の半分以上に相当するんです。

その見解は、イングランド銀行のエコノミスト、Andy Haldane氏がイギリス労働組合評議会で発表したものです。彼は、ロボットが中流階級を「中抜き」し、人間だけにできるスキルへの需要を縮小させるだろうと言っています。その動きは特に事務系、製造系、管理系の仕事において顕著であろうと。

たしかに、その手の職場でこれからロボットが増えてくることは確実だと思われます。でもあらゆる「ロボットが世界を支配する」説に対し、幸い反証があるんです。

エコノミストのNoah Smith氏はBloombergで、これから機械が世界を支配しようとしているのなら、ロボットへの投資が急拡大しているはずだと言っています。が、それは起きていません。彼は「従来の技術的革命は必ず、人類の価値を高めてきたのであって、低くしてはいない」と書いています。産業革命を振り返っても、それで人間が時代遅れになったのではなく、ただルールが書き換わっただけでした。Smith氏は多くのロボット工学者と同じ主張をしています。つまり、ロボットは人間の代わりになるのではなく、我々を補助し、補完する存在なのだと。

もちろん、ロボットに置き換えやすい仕事はたくさんあるはずです。でもそういう仕事はたいてい(a)本質的に、簡単な繰り返し作業であるか、(b)人間がやりたくない、特に危険な仕事であるか、(c)ロボットの方が人間より得意な仕事、です。僕も以前、たとえば危険な建設作業や、人間や救助犬が入れない災害現場の仕事など、今後影響を受けそうな仕事についてまとめました。でもこれらだけでは、米国でもイギリスでも、労働者の半分にはとても及びません

それに、人間がロボットを補完するというやり方もあります。たとえばフェイスブックのデジタルアシスタント「M」は、リアルな人間によって「訓練され、監督されて」います。Quartzでは、Mにはディナー予約やネットショッピングの購入管理が可能だけれど、人間がそれをチェックして、おかしいところがないか確認していることを指摘しています。その人間がやっている仕事は簡単そうだし、そのわりにお給料も良いんじゃないでしょうか。「自動イノベーションスーパーバイザー」とか、カッコいい肩書も付きそうです。

とにかくここで言いたいのは、未来はロボットの天下になってSiriみたいな声が淡々と我々を罵倒し、街には失業した人間があふれるディストピア、ではないってことです。ロボットは職場に増えていくでしょうけど、それは人間の仕事を奪うためではありません。ロボットは我々の仕事をより簡単にし、ストレスを軽減するためにやって来るんです。


Top image via Giphy
source: Bank of England via CNN MoneyBloombergQuartz

Bryan Lufkin-Gizmodo US[原文
(miho)

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