新型3Dバイオプリンターなら、血管を「大量に養殖」できるんです

2015.12.13 22:00
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ここまで来たか、3Dプリンター。

カリフォルニア州のローレンス・リバモア国立研究所(以下LLNL)は、見た目だけでなく機能まで「本物」そのものの血管を、3Dプリンターで作ることに成功しました。将来的には臓器をプリンターで生産可能になったり、人間生理学の進歩につながったりするかもしれません。

この新型3Dバイオプリンターの仕組みは、今までの3Dプリンターとよく似ています。違うのは、人体のある機能と同じ働きをする、バイオマテリアルを素材に使う点。



3Dプリンターで血管を作るために、Monica Moya氏率いるLLNL研究チームは、この特殊なバイオマテリアルに、活性状態の細胞を組み込みました。バイオマテリアルの性質とその周辺の環境により、毛細血管が自然に発生するように計算されているそう。下記は、研究チームの発表です。

プリンターで血管を完成させるには、少しばかり時間がかかります。まず、細胞が組み込まれたバイオマテリアルとは別にチューブをプリントアウトし、チューブ周辺に必要な栄養素を運べるようにします。栄養素を得ると次第に、チューブにつながるようにして毛細血管が発生します。すると、毛細血管から細胞に栄養素が届くようになります。こうして完成した「血管」は、ヒトの体内のそれと同じ働きができるのです。

このアプローチをとれば、生物の組織をより高い精度で生産できるようになります。このバイオプリンターは、体が自ら成長する力を利用していて、その結果、生理学的により自然な状態を作り出せました。「血管を作らなきゃ!」と思うような環境に、細胞を置いてあげればいいのです。この技術があれば、もっと生物学の世界を自由に闊歩できるようになるでしょう。

なんだか培養というか、養殖みたいですね。

こうして作られる養殖血管は、残念ながら人体への移植はできませんが、毒物や医療技術の研究・実験にはもってこい。実験動物に頼る機会も減らせそうですね。プリンター開発にあたったMoya教授は、基礎科学の実験のために、この血管を提供するつもりだと語っています。この3Dバイオプリンティングの技術がさらに向上すれば、人工臓器も作れるようになるかもしれません。そうなれば、臓器不足の解消に一役買いそうですね。

LLNLの科学者たちは、より高精度で規模の大きい3Dプリンターを制作し、新たな3Dバイオプリンティング研究所をまもなく設立しようとしています。

Moya教授はこうコメントしています。
「生物学研究の方向性が、がらりと変わりますよ」


source: Lawrence Livermore National Laboratory
George Dvorsky - Gizmodo US[原文
(Aska T.)

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