ウソっぽい…。中国、米政府ハッキング犯人を9月に逮捕していたと発表

2015.12.05 16:05
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必死のアピールからあふれるお芝居感。

史上最悪、米人事管理局(OPM)から2210万人分の情報がハッキングされた事件。アメリカは「中国政府の仕業だ!」と抗議していましたが、中国による調査の結果、政府ではなく犯罪者によるものだったと中国国営の新華社通信が報じました。さらにワシントンポストによると、9月には中国政府がこの事件の犯人を逮捕していたのだそうです。

犯人を逮捕した、と言われるとお粗末さが際立ってしまうのが、アメリカ政府。政府同士の技術を駆使したサイバー戦争と言われれば仕方ない雰囲気も出てきますが、その辺の人にやられたとなったら立つ瀬がありません。

そして、中国政府にとってはニンマリなニュースでしょう。政府にハッキングの責任はない上に、アメリカの要求に応じて不届き者を逮捕。なんというラブアンドピース、友情、そして経済制裁の回避! …なんですが、もちろん、中国の発表に証拠はありません。

OPMから盗んだデータを競売にかけてお金を稼ぐ…中国人ハッカーがそんな発想に至った可能性もあるかもしれません。ハッカーは2210万分の政府職員やその家族について、社会保障番号や指紋、薬物やアルコールに関する詳細情報を盗み出しました。このデータの宝箱を持ってすれば恐喝は簡単なことなので、政府以外の犯罪組織が欲しがることもあるでしょう。…が、ここでもやっぱり中国の発言以上の証拠はありません。

それよりも、中国政府に訓練されたか政府のために働くハッカーが中国政府に売ったと考える方が自然な気がします。ハッキングへの関与について、これまで中国は一貫して否定。ここ1年でも、オバマ政権高官のメールを盗み見ていたり、検閲に反対するウェブサイトを攻撃したり、オーストラリア気象庁のシステムをハッキングしたりと、関与が疑われる事件の話題には事欠きません。中国政府のハッキングスキルについては、ファイア・アイが「中国政府はハッキング活動を承認しているが、その関与度合いの範囲は不明」というレポートを発行しています(英語だけどレポートはこちら)。

ちなみに逮捕された人物の素性や、政府との関係はもちろん明らかになっていません。中国としては、逮捕しました! と発表することでアメリカの怒りをなだめようとしているんでしょうか。相変わらず火に油を注いでる気がしないでもないんですが…。


image by Kaliva / Shutterstock.com
source: 新華社通信, Washington Post, Wall Street Journal

Kate Knibbs - Gizmodo US[原文
(conejo)

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