クリスマスイルミネーションは本当にWi-Fiを遅くするの?

クリスマスイルミネーションは本当にWi-Fiを遅くするの? 1

クリスマスが、インターネットというサンクチュアリにまで…!?

先日お届けした、クリスマスイルミネーションがWi-Fiに干渉するという話。実際のところ、どのくらい影響があるんでしょうか。英国立オープン・ユニバーシティのシニア講師、Andrew Smith氏が解説してくれました。

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先日、電気通信を監督する英国情報通信庁・Ofcomが、Wi-Fiの通信状況を確認するスマートフォンアプリをリリースしました。Ofcomは同時に、クリスマスツリーに飾られた電飾がWi-Fi接続の品質に悪影響を及ぼすと警告しています。

「クリスマスなんてくだらん!」というOfcomからの挑戦状かと思うかもしれませんが、実はこの警告、正しいのです。きらきらの電飾や他の多くの機器は、Wi-Fiを遅くする可能性があります。究極的には、その機器がどの程度の問題を引き起こすかというのが問題なのですが。

警告を裏付ける科学

Ofcomの発表は、電子レンジや蛍光灯などの機器がどのように無線接続に悪影響を及ぼすか説明しています。

さて、学生時代の授業を思い出してみましょう。先生が電磁スペクトルについて話していたのを覚えているかもしれません。電磁スペクトルは電波、マイクロ波そして可視光を含んでいます。いつでも私たちの周りにあるものですね。私たちの携帯、ラジオ、テレビ、デスクライトはすべて、物理科学的なこの原則によるものです。

Wi-Fiによる無線ネットワークには、2.4GHz帯のマイクロ波が使われることが多いです。Hz(ヘルツ)は1秒あたりの波の数を表すもので、1Hzは1秒に1つの波があるということ。100MHzのFMラジオは1秒当たり1億の波があり、2.4GHzの無線には、1秒につき24億個の波があるということで、これがWi-Fiで使われる電波の飛距離を比較的短くしています。つまり、FMラジオよりWi-Fiの電波の方が「弱い」ということで、同じ距離をカバーするためには、より大きな出力が必要になるわけです。

Wi-Fiルーターは、FMラジオの送信局よりもかなり出力が抑えられていますよね。家庭のWi-Fiルーターの信号が届く距離はだいたい100mくらいですが、いい環境でのFMラジオは10kmくらい飛びます。(広域でWi-Fiっぽい通信を使えるようにしたWiMAXという技術もありますが、今回のOfcomの発表には関係ないということをおさえておきましょう)

FMラジオ局よりも出力が低く、電波が弱いので、家のどこにWi-Fiルーターを置くかによって、影響が出てくるわけです。家電、電子レンジ、スチールけた、コンクリートの被覆材、金属の絶縁体などすべてが影響します。また、Wi-Fiの電波は古い建物の厚い壁を突き進むのにもひと苦労です。

ここまで書いてきた通り、たくさんの要素がWi-Fiを遅くすることができます。そのために、クリスマスの電飾がついたからネットの速度が遅くなって、クリスマスにパソコンでドクター・フーを見ようとしていた人が腹を立てた、という話は聞いたことがありません。

じゃあどうすればいいの?

とはいえ、電飾がWi-Fiを遅くすることも可能です。ほとんどの電飾のケーブルは非シールドで、無線ベース機器をツリーの周りにある電源ケーブルの電磁効果から保護する絶縁体がありません。

しかしながら、相当量の電飾がないと、Wi-Fiネットワークに干渉して、遅くすることはできないでしょう。事実、小さな太陽くらいの勢いでツリーを飾り付けないと大きな影響は出ないと思われます。…計画している人がいるかもしれませんが。

OfcomのWi-Fiチェッカーアプリをダウンロードしてみることを検討してみましょう。しかしアプリの結果でわかるのは、電飾の影響よりも通信会社が提供しているサービスの状況だと言えます。終わらないバッファリングで責めるべきは、そちらです。

また、Wi-Fiルーターを家のどこに置くかも考えてみましょう。ホイルで絶縁した食器棚に置いたブリキの缶の中にルーターを隠すなんてのはもってのほか。無線機器に聖なるかわいらしい電飾を施すなんていうのもだめです。

家の中には無線信号の品質を落とす機器がいくつもあります。24時間ずっと電子レンジを使うって人はさすがにいないと思いますが。ともあれ、電飾を捨てるのを急ぐことはありません。クリスマスはどうせやって来るんですから。

image by Chris_J/flickr under Creative Commons license

Andrew Smith - Gizmodo US[原文

(conejo)