水の星・地球の未来を占うのは、地球規模の水環境シミュレーションかもしれない

Mugendai

水の星・地球の未来を占うのは、地球規模の水環境シミュレーションかもしれない 1

地球を指して「水の惑星」と表現することがあります。

太陽系にあるほかの惑星とは異なる、広大な海を持つ惑星、地球。その中にあって、「水の国」と称されることがあるほど、豊かな水資源に恵まれているのが、日本です。四方を海で囲まれた島国であることはもちろんのこと、日本の降水量は、年間で約1,700mmにもなり、世界平均の約2倍に相当します。日本列島を沿うように流れる暖流に乗って南の海からもたらされる水分が雨や雪となって日本全土に水をもたらし、多種多様な生態系や、緑豊かな景観を生み出しているのです。

日本では毎日の生活に“水がある”ことは当たり前であり、その豊富な水資源を前提に、日本文化が形作られていることは疑う余地がないでしょう。一方で、それだけ密接に水と関わっている国であるということは、水にまつわるマイナスの影響を受けやすい環境であることも意味します。

警察庁の発表によれば、2014年に水の事故によって亡くなったり行方不明になった人は700人以上。近年増えている突発的な豪雨や、それによる河川の氾濫。大型台風による家屋や農作物、漁業への被害も後を絶ちません。また、環境の変化がもたらす水質への影響も大きな問題です。3.11の津波以来、放射性物質の海洋流出は日本人だけでなく、世界にも注視される環境問題となっています。

では、水の力の前に、私たちは無力なのでしょうか?

答えは、No。今、最先端の地球物理学と、大規模なデータ分析システムによって、地球規模の「水の動き」を把握できるようになってきています。

今回の「無限大(mugendai)」では、地球物理学の一分野である流体力学をベースに「水」の状況を予測し、3Dで情報提供する「IBM DeepCurrent」を紹介しています。

IBM DeepCurrentが利用しているのは、海や河川のさまざまな場所に取り付けられたセンサーから得られるデータ。水流や気温、塩分濃度、栄養素濃度などの変動をシミュレーションすることにより、3次元で環境の変化を予測します。

海を眺めている時、その変幻自在の姿に“人間のちっぽけさ”を実感することはよくありますが、まさかその振る舞いをシミュレーションできるようになるとは! シミュレーションの裏にある膨大なデータと計算を想像すると、違う意味で“ちっぽけさ”を感じてしまいますね。

私たちを取り巻く巨大な水の動きを分析し、これまで把握できなかった「未来」に重要な示唆を与えるIBM DeepCurrent。「水の国・日本」においても、今後その最先端のデータ分析システムが、大いに活躍してくれそうですね。

世界各地でIBM DeepCurrentが活用されている事例については「無限大(mugendai)」に詳しく載っています。

source: Mugendai(無限大)

(有賀久智)