究極の温暖化対策は地上から車をなくすこと

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愛車くん、さようなら!

2015年は、世界の195カ国からの代表者が集い、地球温暖化対策について話し合う国際会議「COP21」が開催されました。数々の目標が掲げられ、新たな対策を誓う声が上がりはしましたけど、これで本当に地球温暖化はストップするのか? そう問われると、やはり疑問は残るままでしょうね。

皆がわかってはいるんだけど、怖くて言えないこと。そう、もういろんな回りくどい方法ではなく、とにかく排ガスの問題を引き起こしている自動車を、この地球から撤廃してしまえばいいんですよ。そうしたら、もっとも効果的かつ究極の地球温暖化対策が実現しますから…。

自動車と地球温暖化問題

いま地球には10億台を優に上回る数の自動車が走っています。その数はどんどんと増えていて、2030年までには、倍の20億台に達すると考えられていますよ。

ちなみに国際連合は、環境に悪影響を与えるエネルギー関連の二酸化炭素排出量4分の1は、自動車を中心とする交通手段によるものだと発表しています。この割合は、今後も増加の一途をたどり、全排出量の3分の1が自動車で占められるようになる日も、そう遠くはないんだとか。

このすべてを完全廃止すれば、いかに地球の空気がきれいになり、温暖化を始めとする数々の環境問題が解決に向かうかは、容易に想像できますよね~。

電気自動車はダメなの?

排ガス問題のないクリーンな自動車として、環境に優しいイメージもある電気自動車。たとえ自動車が増え続けても、もし2030年までに、すべての車の5台に1台が電気自動車に変われば、大いに地球温暖化対策は進むとの試算もあるようです。つまり、2030年までに4億台の電気自動車を走らせる……。

ただし、この目標は、まったく現実的ではないでしょう。現在、世界にある車のうち、電気自動車の割合は0.1%にも満たない、ごくわずかなものです。たとえ奇跡的に電気自動車の大量生産が実現し、一気にガソリン車からの切り替えが進んだとしても、そもそもどうやって電気が作られるのでしょうか? とんでもなく需要が増えた電気の供給をまかなうため、やはり化石燃料を燃やして発電量を増やすので、結局は二酸化炭素排出量は減らないことでしょう。

やっぱり、結論は1つ。本当にクリーンなエネルギーだけで走れるなんてないんです。まったく化石燃料を必要としない自動車なんて存在しない。だから、本気で地球を守りたかったら、車なんて乗ってたらダメなんですよね。

自動車がいらない街

地球上に1台も自動車が走らない世界。言うは易しですが、原始時代にでも戻らない限り、そんな社会が実現することはないのは目に見えています。しかしながら、都市部に限っては、個人が運転する自動車の全廃目標は不可能でもないみたいですよ。

この分野で日本は遅れていますけど、すでに海外では、都心から車を排除し、完全な歩行者天国にしてしまう取り組みだって進んでいるようです。それぞれ規模は異なりますけど、オスロ、ヘルシンキ、マドリード、ハンブルグ、パリ、ロンドン、ヨハネスブルクでは、こうした規制が功を奏し始めていますよ。あの車社会のアメリカでさえ、ニューヨークやサンフランシスコに、まったく自動車が入れないエリアが出現中。この流れが今後も加速していったらどうでしょう?

移動距離を少なくするため、もっと高層ビルを増やし、人々が密集して生活できる都市計画を作ります。自動車をなくす分、駐車場など不要になりますから、無理なことではないかもしれません。そして、電車(メトロ)を始めとする公共の交通機関を充実させ、自転車に優しい道づくりを進めます。さすがに配達などには車がいるでしょうから、例外的にゼロエミッションの車を業務用のみに認めるとしましょう。

自動車をなくす新たなビジョン都市計画をやり直せば、これだけでも、かなりの数の車を減らすことができるでしょうね。すでに世界人口の大半は都市部に集中しており、2050年までには、70%以上の人が都市で生活するようになると考えられています。このすべてが、車不要の社会で生活するようになれば、自動車全廃とまではいかなくとも、少なくとも数百万台の自動車をなくすことができるはずですよ。

ちなみに、こうした車のいらない新生活は、きれいな空気という成果以外にも、交通事故の劇的な減少というメリットまでもたらしそうです。すでに世界では、毎年300万もの人々が、交通事故によって命を落としていると伝えられていますけど、その数がグンと減ることでしょう。車に乗るのではなく、よく歩き、自転車をフル活用する生活は、健康的でもあります。

車なしの生活なんて、いまは想像すらできないかもしれません。でも、未来の社会では、なんて過去の遺物となっているのかも。そうできないのであれば、地球は温暖化が止まらず、滅びゆく運命にあるかもしれませんし、もっと皆で真剣に考えなければならないことなのかもしれませんよね。

image by Sam Woolley

Alissa Walker - Gizmodo US[原文

(湯木進悟)