知られざるカリフォルニアの秘境。地下に広がる氷世界が美しい洞窟探検

カリフォルニア州北部にある、ラバ・ベッズ国定公園。都市部からかなり離れた場所にあり、たどり着くには車で野を超え山を越え、長い道のりを行かねばなりません。日本のガイドブックにはほとんど載っていないし、訪れる人はごく少数。

そんな辺境の地といっていい公園に、世界観が変わるほど美しい、この世のものと思えない自然のかたちがあります。

ラバ・ベッズの名物は、広大な土地に点在する洞窟。火山の噴火によってできたもので、その数は700以上もあるといいます。洞窟の内部は、一つひとつ違った光景が広がっています。異なる環境条件や歴史など様々な要因で、このような多様性が生まれたのです。

こちらは、YouTubeに公開されている公園紹介の動画。洞窟内の風景と、探検の様子が垣間見られます。

動画にも出てきますが、ラバ・ベッズ観光のハイライトとなる洞窟はふたつ。クリスタルケーブとファーンケーブです。

クリスタルケーブの名前の由来は、水晶のように美しく輝く壮大なつらら。内部は足元も頭上も一面氷に埋め尽くされ、そこここにつららが佇む何とも幻想的な光景が広がっています。

中を探索するには、ツアーへの参加が必須。1月から3月の土曜日限定で、定員は1日にたったの6名です。予約は3週間前から受付開始なのですが、人気が高く予約を取るのは至難の業。その日の予約受付が始まる午前8:30になると同時に、ビジターセンターに電話しないといっぱいになってしまいます。参加できたらラッキー、ですね。定員をこんなに少なく抑えているのは、人の体温で氷が解けてしまうのを防ぐためだそうです。

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氷をアップで撮るとこんな感じになります

ツアーの持ち物は、ヘルメットやライトと、体力。クリスタルケーブは足元も氷ですから、滑りやすく、難所が多いのです。「50フィート(15.24m)もある急な氷の坂があります。ロープにつかまって登るんですが、上半身の力をかなり使いますよ。それに、這って通り抜けないといけない狭い穴もあるし、足元の氷がもろく崩れやすいところも、氷がつぎはぎみたいになっているところもあります。体力とバランス感覚が要りますね」と、National Park Serviceのスタッフは言います。

そんなこと言われると尻込みしちゃうかもしれませんが、それでも中にツアー参加者は絶えません。苦労しても見る価値は十二分にあるということですね。

下の写真は、ラバ・ベッズのもうひとつの名物洞窟、シダ植物が生い茂るファーンケーブ

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こちらもクリスタルケーブと同様、定員制のツアーでしか中に入れません。ツアー開催は6月から9月までだそう。

およそ2万5000年前、溶岩のおかげでできたこの洞窟。あるとき天井の一部が崩壊して直径8~10フィート(約2.4~3m)の穴ができ、そこから空気が流れ、太陽光が降り注ぐようになりました。外の気温が華氏40~100度(摂氏約4.4~37.8度)であるのに対し、洞窟内は年間を通して華氏44~45度(摂氏約6.7~7.2度)。湿度は高く、シダ植物が育つのに適した環境だそう。

ファーンケーブには、壁に書かれた文字など、ネイティブアメリカンの人々がかつて生活した痕跡が残っています。

ラバ・ベッズの溶岩地帯は、西部開拓時代に、ネイティブアメリカンの一民族であるモドック族が、アメリカ政府に抵抗して立てこもった場所。1872年から約1年の間、アメリカ軍が彼らの居場所をつかめずにいたのは、モドック族が洞窟の知識を駆使して身をひそめていたためだそうです。アメリカ軍とモドック族の戦いの跡も、公園内に残っています。

2つの洞窟ツアーは催行期間が限られていますが、公園は年間を通して訪れることができます。洞窟は700以上もあるのですから、楽しみ方は未知数ですね。時間をかけて探検して、お気に入りの洞窟を見つけてみたいものです。

photo by Michael McCullough / Flickr

Wes Siler - Gizmodo Indefinitely Wild[原文

(Aska T.)