雨上がりの空にはかかりません。長さフルマラソン2回分の糸が織り成す屋内レインボー

雨上がりの空にはかかりません。長さフルマラソン2回分の糸が織り成す屋内レインボー 1

絵画でも彫刻でもないアートの形、インスタレーション

色鮮やかに輝く、親しみやすさ抜群な虹色のインスタレーションは、アーティストGabriel Dawe氏の作品。天井へと伸びる大きな虹が架かる本作品の舞台は、アメリカの首都ワシントンD.C.にあるSmithsonian美術館Renwick Galleryです。

メキシコシティ出身、現在はダラスを拠点に活動するDawe氏は、これまでにもカラフルな縫糸アートを多数手掛けてきたそうです。YouTubeで公開されているインタビューによると、虹の制作には、独自に開発した巨大な針のようなツールと、延長ポールを主に使用したのだとか。色さまざまな糸を伸ばして、何千ものホックで床と天井を繋ぐ作業には、かなりの時間を割いたといいます。

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Images by Ron Blunt, courtesy of the Renwick Gallery

大規模な改装のため2年間の閉鎖期間を経て、今年の秋に再オープンした同ギャラリーでは、新古典主義建築の廊下をアートスペースに、全長おおよそ55~60マイル(88.5〜96.5km)にわたる糸を折り重ねて虹をつくったというDawe氏。これらは「洋服をつくる素材でつくられた建築構造物みたいなもの」だと表現しているのも印象的です。

でもなんとなく気になるのが、彼はなぜアートに虹色の表現を選んだのか、ということ。同作品に関するエッセイによると、どうやら幼少期の記憶が関連しているようです。

空、雲を眺めるのが好きな両親、自身が見たメキシコの空の記憶からはじまった空にまじわる色のグラデーションへの憧れ。また刺繍好きだった姉の「絶対、男の子向けじゃないわ」という考え方から、子供の頃に刺繍の世界を楽しめなかったという彼は、そんな子供時代の満たされなかった思いを満たすように、また思い出に導かれるように、大人になってから糸の技術を楽しむようになったといいます。

手の届かない空への憧憬心や、幼少期の記憶をたまに思い返しては抱く不思議な気持ち、そして今回の巨大な虹色のインスタレーションも...どこか親しみやすいDawe氏。彼のアート作品の背後にあるストーリーをもっと楽しみたい方はSmithsonian Mag(英語)でも詳細が公開されています。

「Plexus」と名付けられたこの作品、企画展「WONDER」のいち作品として2016年7月10日まで展示されるそうですよ。

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Kelsey Campbell-Dollaghan - Gizmodo US[原文

(Rina Fukazu)