国を縦断する24kmの廃線が、緑あふれる憩いの場へ。日本企業がシンガポールのデザインコンペで優勝

国を縦断する24kmの廃線が、緑あふれる憩いの場へ。日本企業がシンガポールのデザインコンペで優勝 1

美しいものを美しいまま再設計するデザイン。米Gizmodoでも注目されています。

かつて経済発展の基盤となった鉄道。シンガポールのマレー鉄道は、農産物やゴム、ブリキなどを運ぶために、植民地時代の1903年に建設されました。1920年代から30年代にかけて発展が進む中、鉄道は拡大を続け、シンガポール政府は「ヨーロッパまでをつなぐ鉄道網の始発で終着点」を夢描いていたと言います。

国を縦断する24kmの廃線が、緑あふれる憩いの場へ。日本企業がシンガポールのデザインコンペで優勝 2

現在のマレー鉄道。image by Nic on Flickr

この時代に作られたタンジョン・パガー駅はアールデコ調の美しい駅。しかし、鉄道が廃線になってからはずっと放置されてきました。

国を縦断する24kmの廃線が、緑あふれる憩いの場へ。日本企業がシンガポールのデザインコンペで優勝 3

国を縦断する24kmの廃線が、緑あふれる憩いの場へ。日本企業がシンガポールのデザインコンペで優勝 4

タンジョン・パガー駅。 image by Azhaaarry on Flickr

鉄道は4年前の2011年に廃線となったばかり。シンガポールは古きよき1930年代を思わせる素敵な駅をどのように活用するか、頭を悩ませていました。そこで、他の国でもよくとられるように、シンガポール政府はデザインコンペを行うことにしたのです。優勝したのは日本の日建設計。24kmのシンガポール全土に及ぶ公園を作るデザインでその座を勝ち取りました。

日建設計が提案したのは、ニューヨークのハイラインやシカゴの606、パリのプロムナード・プランテなど世界各地で見られる、廃線をコミュニティの遊歩道公園にするもの。しかしシンガポールの廃線は長く(ハイラインは1.6km、プロムナード・プランテは4.5km)、デザインをもっと大規模にする必要がありました。

日建設計はかつての駅である8つのハブで接続した緑あふれる遊歩道を設計。中には、人々が集うための庭や、都市中心部を見晴らす展望台、釣堀なども設けられる計画です。遊歩道によって、「住民どうしのつながり生み、時間と共に成長する、より豊かな生活環境の創出」を目指し、同時に生物多様性の確保にも役立てたいとしています。

国を縦断する24kmの廃線が、緑あふれる憩いの場へ。日本企業がシンガポールのデザインコンペで優勝 5

国を縦断する24kmの廃線が、緑あふれる憩いの場へ。日本企業がシンガポールのデザインコンペで優勝 6

アールデコ調のタンジョン・パガー駅のリノベーションには、シンガポールのMKPL Architectsと中国のTurenscape Internationalの案が採用。ハブのひとつとなるこの駅には、アートクラブ、鉄道ギャラリー、展示スペース、講堂、カフェ、期間限定売店が設置される予定です。

国を縦断する24kmの廃線が、緑あふれる憩いの場へ。日本企業がシンガポールのデザインコンペで優勝 7

ニューヨークのハイラインが完成するまでに約10年かかったので、マレー鉄道の計画はもうちょっと時間が必要そうです。現在、日建設計は最初の約4kmの完成に向け、取り組んでいるとのこと。今後、世界中で使われなくなった鉄道インフラの活用が課題になるので、今回のプロジェクトはさまざまな国から注目を集めるのではないでしょうか。日建設計の東京ビルでは、来年1月18日から2月26日まで関連イベントを行う予定です。

source: 日建設計ArchDaily

Kelsey Campbell-Dollaghan - Gizmodo US[原文

(conejo)