北京のスモッグをダイヤモンドに変える? あるオランダ人アーティストの挑戦

北京のスモッグをダイヤモンドに変える? あるオランダ人アーティストの挑戦 1

プロジェクト成功の鍵は、シンボルを作ること。

中国の大気汚染は非常に深刻です。この状況をアートの力で解決できないかと立ち上がったのが、オランダのDaan Roosegaardeさんです。

アーティストであり建築家であるRoosegaardeさんは、23フィート(約7m)のオブジェ「Smog Free Tower」を作りました。これは、いわば巨大な空気清浄機のようなもので、1時間あたり3万立方メートルの空気を浄化することができます。

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ロッテルダムでの実験が成功したあと、Roosegaardeさんは中国の自治体と協力してSmog Free Towerを北京に出荷しようと計画を立てています。いま掲げている目標は、北京市内にある20〜30カ所の公園にSmog Free Towerを設置すること。将来的には大気汚染に悩む世界中の都市に設置したいと考えています。

2015年7月、このプロジェクトは目標金額5万ユーロ(約666万円)の資金をKickstarterで募集しました。ところが、最終的に集まったのは、2倍以上の11万3153ユーロ(約1,500万円)。

50ユーロ(約7,000円)以上の資金提供者に対しては、圧縮されたスモッグの粒子で作ったキューブがあしらわれた指輪やカフスリンクスが贈られました。透明なキューブに黒い炭のようなスモッグが入っているのが見える魅力的なプロダクトです。「もし、これを炭素と一緒に高温・高圧の環境に置けば、ダイヤモンドになりますよ」とRoosegaardeさんはBloombergの取材に対してコメントしています。

これは彼のウイットでありプロジェクトの比喩でしょうが、炭素を使って天然ダイヤモンドとまったく同じ物理特性を持つ人工ダイヤモンドを製造する方法が最近開発されました。もし、この技術を応用すれば、汚染された空気を文字通りダイヤモンドに変えていくことも、可能かもしれませんね。

社会貢献のキャンペーンは、多くの場合、人々の正義感や公共精神に訴えるだけでは限界が出てきます。プロジェクトの価値をシンボライズするデザインとテクノロジーを組み合わせたアイデアが、世の中を少しずつ良い方向に変えていく助けになっていくはずです。

source: Bloomberg

(高橋ミレイ)