30年の冷凍からの目覚め、復活したクマムシの勇姿を見よ

生命の無限の可能性を感じます。

難病治療のために自分の体を冷凍保存する人は稀にいますが、将来無事に起きられる保証はありません。しかしもっと単純な生物、たとえばクマムシだったら、30年の冷凍状態からの復活も可能なんです。

この研究を行なったのは、日本の国立極地研究所。南極でコケ試料と一緒に採取したクマムシを1983年に凍結し、2014年に解凍作業が行なわれました。

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解凍した卵は6日後に歩行するようなしぐさを見せ、13日後には藻を食べはじめます。さらに22日後には体内に卵が観察され、29日後にはほぼ完全な状態までの復活を遂げています。また別の蘇生した1つのクマムシは死亡し、1つの卵は無事に孵化、成長しました。

クマムシは高温、ほぼ絶対零度、乾燥、圧力、放射線などの極限環境に耐えられる「最強生物」として有名ですが、そのほかにも「クリプトピオシス」という特性で知られています。これは乾燥などで生存環境が厳しくなると代謝を停止し、水分が与えられるまで休眠するというもの。クマムシは以前も9年間乾眠していた記録があるのですが、今回は大幅な記録更新となりました。

今後、研究所では長期保存によるDNAの損傷や、修復機構を調べるとしています。私たちにはクマムシは遠い存在にも感じられますが、そのうちこの研究が医療に応用される日がくるかもしれませんね。

source: 国立極地研究所BGR

(塚本直樹)