中国まで! 意外にも大気汚染が改善した都市が明らかに…

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初夢かなにかの間違い?

地球温暖化大気汚染の問題は、年ごとに悪化しているように感じますよね。2015年は、これまでの人類の歴史でも記録的に暑かったそうです。この様子だと、今年の夏はいったいどうなることやら~。

早くも冬のいまから、そんな心配をしてしまうところですが、昨年末にNASAは、米国地球物理学連合(American Geophysical Union)の年次総会において、世界各国の195都市の大気汚染データを発表。地球観測システムの一環で打ち上げられた衛星オーラに搭載されている、観測装置のOzone Monitoring Instrument(OMI)から送られたデータの解析結果が公開されましたよ。

OMIでは、火力発電所、工場、自動車からの排ガスに含まれる二酸化窒素量による大気汚染の状況を、上空から追跡可能。2005年から2014年まで、どのように各都市で大気汚染が進行したのかが比較分析されているのですが、意外にも、汚染度が大きく下がって、以前より空気がきれいになっている地域が増えていることが明らかになっているのです!

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世界でも、いまもっとも大気汚染が進んでいる国と聞くと、中国をイメージする人は少なくないことでしょう。そのなかでも、首都北京の空気の汚さは、スモッグ微小粒子状物質(PM2.5)の濃度の問題から、とりわけひどいという定評すらありますよね。

ところが、驚くべきことに、中国のなかでも、北京や上海といった大都市では、ここ数年で大気汚染のレベルが改善傾向にあることが示されていますよ。もっとも汚染度が進んでいた時期と比較すると、最大で40%も改善したと発表されています。たとえ改善しても、とにかく改善前の大気汚染が半端でなかったので、いまでも決して空気がきれいとはいえないんでしょうけど、政府の対策が少しは功を奏してきているのかもしれませんね。

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大気汚染の問題は、中東でも深刻化しており、イランやクウェートなど、近代化に伴って、汚染度が増している国が増えています。解析データでは、オレンジのエリアで示されていますよ。ところが、同地域で著しく汚染度の改善が見られた唯一の国がシリアと発表されています。ブルーのエリアほど、以前よりも大気汚染の問題が減っていることになりますね。

その原因は、なんとも皮肉なことに、長引く内戦による経済活動の低迷。多くの人々が、国を捨てて逃げざるを得なくなり、周辺諸国に難民が押し寄せる問題が発生しているものの、人が住まなくなった地域は、かえって空気がきれいになっていることが示されています。やはり環境を破壊するのは人間だという厳しい現実が、こうした形でも明らかになったと考えられるかもしれません。

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いま米国では、クリーンエネルギーへのシフトやエコカーの普及促進などが功を奏して、大気汚染の度合いは、この10年で最大50%も改善したことが示されています。その実態を、テキサス州の解析データで確認してみると、ダラス、ヒューストン、サンアントニオといった都市部ほど、大気汚染の問題が改善していると発表されていますよ。

ところが、あまり人が居住していないはずのエリアで、かえって大気汚染が進行しているという不思議な結果が……。実は、この地域の汚染は、すべてシェールガス開発と関連しています。フラッキングと呼ばれる水圧破砕法で、シェールガスの採掘を進めることによって環境問題が進行中。石油に代わる新資源には、こうした代償も伴うのが悩みの種でしょうかね。

source: NASA

Kelsey Campbell - Gizmodo US[原文

(湯木進悟)