ゴミが3Dプリントで大変身。どこまでもエコな海上都市の建設案

2016.01.17 12:30
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

160113aequorea.jpg

© Vincent Callebaut


ゴミが人類を救うのでしょうか?

地球温暖化、海面上昇、人口爆発…。人が地球上に安心して住めなくなってしまうのでは、という危惧が日増しに現実味を帯びています。火星への移住計画もありますが、我々を育んでくれた母なる地球を離れるのはなんとも切ない、という人も多いのではないでしょうか。隣町に引っ越すのでさえもちょっと名残惜しかったりしますもんね。

いつまでも地球に住み続けたい、子供や孫にも地球のよさを知っていてほしい。そんな願いをかなえてくれるのは、この海上都市計画かもしれませんよ。

ベルギーの建築家、Vincent Callebaut氏が2015年12月に発表した「AEQUOREA」は、とってもエコな海上都市建設案。ちなみにCallebaut氏は、これまでも地球に優しい巨大ショッピングモール「Wooden Orchids」や、緑あふれるパリのスマートシティ構想「2050 Paris Smart City」、CO2排出ゼロの超高層ビル「Taisun Tower」、電力自給率100%以上の街「Flavors Orchard」など、環境に限りなく優しい建設計画を数多く提案しています。2008年には「Lilypad」と名付けられた水に浮かぶ都市計画を発表しており、今回のAEQUOREAはこの大幅改良版でしょうか。


160113aequorea2.jpg

© Vincent Callebaut


この巨大な水槽のような美しい建造物、驚いたことに、建材はごみとして捨てられたプラスチック。プラスチックごみってこんなに大量にあるの!?と愕然としてしまいますね…。建材となるプラスチックごみの出所はといいうと、太平洋にあるとされる「ゴミ大陸」。世界中のプラスチックごみが流れ着いてできたと言われています。この巨大なごみの山(島?)を、3Dプリント技術で建材へと生まれ変わらせるのです。この時点で地球に害がないどころか、キレイにしてしまっています。

AEQUOREAは幅500m、深さは1000mで250階建て2万人が居住可能です。内部には住宅スペースのほかオフィススペース、研究設備、野菜畑、果樹園、養殖場といった食料供給に必要な設備、スポーツ施設も完備。外に出なくても快適な生活が送れます


160113AEQUOREA6.jpg

© Vincent Callebaut


住む人が快適に過ごせることに加え、環境への配慮も徹底されています。

施設内のエネルギー供給はというと、石油やガス、原子力は使いません。採光には発光生物の光を増幅して利用。電気は海流発電と海洋温度差発電(Ocean Thermal Energy Conversion=OTEC)で得るそうです。OTECを利用すれば、海水から飲料水を生産可能。外の世界につながる煙突が設置されていて空気が常に循環しているうえ、海水電解設備によって酸素を生産しているため、酸素が薄くなる心配もありません。

地震大国・日本に住んでいると「これって、地震が起きても安全なの?」と不安が頭をよぎりますが、その心配も不要。壁は海面から海底に向かって厚さが増していて、強い圧力がかかっても十分に耐えられるよう設計されています。


160113AEQUOREA3.jpg

© Vincent Callebaut


160113AEQUOREA7.jpg

© Vincent Callebaut


160113AEQUOREA5.jpg

© Vincent Callebaut


AEQUOREAはまだ構想段階ですが、環境にやさしく安全な海上都市が実現すれば、迫り来る人口爆発の解決につながるかもしれません。いざとなったら火星へ…と思っている人も、こんな快適な「海上移住」という選択肢が出てくると迷ってしまうのでは?

地球を見捨てるにはまだまだ早そうですね。


image by Vincent Callebaut
source: Vincent Callebaut Architectdesignboom

(Aska T.)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 本当にすごいエコ住宅をつくる方法 最新版
  • 野池政宏,米谷良章|エクスナレッジ
  • 日本でいちばんエコな家
  • casa sole プロジェクト|WAVE出版
・関連メディア