新たな化学センサーの開発に活躍するのは、クモの糸

新たな化学センサーの開発に活躍するのは、クモの糸 1

細くて丈夫なクモの糸に、レーザーの光を当てると...?

クモの糸から成る新たな化学センサーの開発に取り組むのは、EPFL(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)の科学者たち。まだ研究は初期段階だとされるなか、すでに注目すべき成果が見られているようです。

科学者たちが用いるのは、無傷な状態のクモの生糸。これに端から端までレーザーの光を当てると、なんと光ファイバーと何ら変わりないのだといいます。一般的な光ファイバーはガラスやプラスチック製ですが、クモの糸はタンパク質から成り、多くの化学物質に反応する性質があるようです。

特に、正と負の電荷を両極に持つ極性分子に反応するクモの糸は、生糸に光が通るようタンパク質の構造を修正し、両極に光センサー、レーザーなどの光をそれぞれ当てると、極性分子と触れ合った場合に反応を示すのだそう。

分子が外れると生糸は元のかたちに戻ることから、何度もセンサーをリユースできることもグッドポイントながら、このセンサーは微生物等によって自然と無害化される「生分解性」である特徴から、"生き物"に組み込むことも可能なのだというから多くの期待が集まっています。

ちなみに別のところでは、MITの研究チームによる人工的なクモの糸の開発も行なわれています。ただ人工の場合、光ファイバーのような働きは見込めないうえに多くの費用がかかるため、こちらは天然の生糸とは異なる分野で活用されることになりそうですが...。

今回のクモの生糸を用いた化学センサーの具体的なイメージは、以下の動画でもお楽しみいただけます。

Image by John Tann

source: École Polytechnique Fédérale de Lausanne

Esther Inglis-Arkell - Gizmodo US[原文

(Rina Fukazu)