生まれ変わる公衆電話…無料充電、タブレットにWi-Fiスポット完備!

160116linknyc1.jpg

早く日本にもやってこい!

公衆電話、どこですか? そんな質問を尋ねられることなんて、めったになくなりましたし、そもそも直近で公衆電話なんて使ったのはいつだったっけ? もうどこに公衆電話があるのか、記憶の片隅にさえ残らない時代を迎えましたよね。

とはいえ、災害発生時の緊急インフラなど、依然として重要な役割をになっていることは確かな公衆電話。駅や病院など、いまでも探せば絶対に周囲にないわけではありません。でも、もっと皆が使いたくなるような、現代にふさわしい公衆電話に進化できないものでしょうか?

例えば、ただ電話をかけられるだけでなく、スマートフォンをつなぐと無料で緊急充電できるサービスが付属していたら助かります。ついでに無料Wi-Fiスポットにもなれば、きっと多くの人々が必ず立ち寄る場所になることでしょう~。

160116linknyc2.jpg

実は、すでに米国のニューヨークでは、公衆電話を次世代の新システムに切り替えるプロジェクトが進行中。ニューヨーク市によって選ばれたCityBridgeが、今後12年間で市内の7,500カ所へ、多くは既存の公衆電話をアップグレードする形で、ギガビットのインターネットインフラを装備した専用ステーションの設置を進めます。その名も「LinkNYC」というプロジェクト名で、着々と魅力的な次世代公衆電話への切り替え作業が浸透していっていますよ。

160116linknyc3.jpg

高さ9.5フィート(約2.9m)のLinkNYCスタンドには、たとえ500人のユーザーが一斉に接続しても十分な帯域を確保するという、1Gbpsの高速通信が可能な無料Wi-Fiホットスポット機能を装備。同時にスタンド本体には、Androidタブレットが埋め込まれており、だれでもインターネットを無料で利用できます。ちなみにタブレットそのものがビデオ通話できる公衆電話になって、ダイヤルすれば無料のIP電話ができる仕組みになっていますよ。おまけにスタンド下部には、USBケーブルで各種モバイル機器を無料で充電できる設備まで整っていますね。

こんなだれもが大歓迎なLinkNYCですけど、総工費は2億ドルを見込む巨額のインフラ再整備プロジェクトとなっています。ただし、市の財政を圧迫する形で進行するのではなく、LinkNYCスタンドに備わる巨大なスクリーンに広告を流し、その広告収入で、設置から維持までまかなうプランのようですよ。イメージとしては、縦長のバス停のサインが、全面ディスプレイ広告になって街角に立ち、道行く人の目に留まる広告塔の役割を果たしていく感じでしょうか。

すべて無料で使える魅力的なサービス満載のLinkNYC。少人数のユーザーに独占されてしまうことがないよう、座ったり、物を置いたりできるスペースなどは一切用意されず、コーヒーカップを置きながらネットに電話に長居されたりしない工夫が凝らされているそうです。風雨にさらされても、酷暑や極寒の環境に置かれても壊れない、全天候型の防水防塵性能を備えるほか、しっかりとタブレット本体は埋め込んで、盗まれないように防犯対策も施されていますよ。モジュラー構造なので、修理が必要になったら、そのパーツのみ交換できるようにもなっています。

なお、日本の公衆電話によくあるような、プライバシーを保護するボックスに覆われるデザインは採用されません。そのため、ここでビデオ通話なんてすれば、周囲に会話は丸聞こえで、通話先の相手の顔もアップでさらされそうです。無料で長電話されない工夫でもあるのかもしれませんね。ただし、イヤフォンジャックは用意されているので、自分でイヤフォンを用意すれば、ある程度はプライバシーが保たれるでしょうか……。

こんな最強のスピードWi-Fiが無料完備されれば、スターバックスにネット目当てで駆け込んだり、携帯電話の高いデータ通信プランを解約してしまったりする人だって増えるのでは? やや心配になってしまいますけど、LinkNYCの掲げる目標は非常に大胆です。最終的には、ニューヨーク市内で150フィート(約45.8m)おきにスタンドが並び、各スタンドのシグナルは周辺400フィート(約122m)をカバーするため、理論的には市内のいたるところが無料Wi-Fiでカバーされていきそうですよ。

先進国のなかでは、依然としてインターネットの速度が遅いなど、IT分野で遅れを取ってきた米国。でも、こんな公衆電話網が再整備されていけば、一気にその汚名返上となることでしょう。日本国内でも、まずは2020年の五輪開催をめどに、東京都心から同じようなインフラ再整備が進むといいのにな~。

source: LinkNYC

Bryan Lufkin - Gizmodo US[原文

(湯木進悟)