Xperia™ Z5に見る、工業デザインの「意地」と「美学」

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一枚の美しい「板」をつくる。

それがソニーモバイルのスマートフォン、Xperia Zシリーズが初代から継承しているデザインコンセプトです。6代目となるXperia Z5では、先代までのラウンド形状から角ばった形になり、背面にはフロストガラスを採用。落ち着いたトーンのカラーリングと相まって、上質で高級感のある佇まいを実現しています。

美しいデザインのXperia Z5ですが、一方で機能面や使い勝手を妥協していないのもポイント。新機能として電源キーに搭載された指紋認証センサーは抜群の速度と精度を誇るうえに、画面ロック解除も兼ねるため、1回の操作で済む便利さがあります。

デザインと機能。ときに相反する二つの要素を究極にまで高め合うことができたXperia Z5の開発秘話を、ソニーモバイルのデザイナーの久保田さん、機構設計の小林さん、開発を統括するプロジェクトマネージャーの長島さんに伺いました。

単品で目立つよりも生活に寄り添う存在へ

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写真左から、機構設計の小林さん、デザイナーの久保田さん

ギズモード編集部(以下ギズ):まずはXperia Z5のデザインコンセプトを教えてください。

久保田さん:これまでのXperia Zシリーズは製品単体で美しくあることにこだわってきました。しかし、今回は製品単体だけではなく、人の生活に寄り添うことを意識したデザインをコンセプトにおいています。

ギズ:生活に寄り添うとは?

久保田さん:私自身も感じていることなのですが、スマートフォンは今や日常使いするものになっています。製品そのものの美しさはもとより、手帳や財布、洋服などの隣にスマートフォンを置いたときに、違和感なく心地いい存在になってほしいと考えたのです。

ギズ:そのコンセプトがデザインのどういったところに表れているのでしょう。

久保田さん:大きな特徴は背面のガラスの質感ですね。これまでのツヤのある質感から、落ち着いたトーンになっています。またカラーバリエーションの一つとして、これまでにはなかったグリーンを採用しました。ブラックも真っ黒ではなく少しやわらかいグラファイトブラックを採用しています。実は生活の中で真っ黒なものって意外と少ないので、グラファイトブラックがマッチすると思います。

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新色のグリーン

ギズ:言われてみれば黒にもいろいろありますよね。ところで、これまでのXperia Zシリーズのデザインから方向性が少し変わることに反対意見はなかったのでしょうか?

久保田:「少し落ち着き過ぎなんじゃないか」という意見はありましたね。そこは実際にモックを作って見てもらったり、トレンドの説明をしたりして、良さをわかってもらうことができました。

技術的な課題を乗り越えてフロストガラスを採用

ギズ:大きな変更点でもある背面ガラスは、磨りガラスになっていて、さらりとした優しい手触りですね。

久保田さんガラス表面を磨ってフロストガラスに仕立て、裏から印刷しています。このガラス越しに奥の色が透けて見えるのですが、光の当たり方で色合いが変化するんですよ。

ギズ:これは綺麗ですね。でも質感はあくまでマットで主張しすぎてもいませんね。

久保田さん:こだわりとしては、一体化しているカメラレンズ部分は当然として、SONYのロゴ部分にフロストがかかっていないことです。この部分もフロストをかけるときマスキングしているんです。

ギズ:今回フロストガラスを採用したのは久保田さんの提案ですか?

久保田さん:今回はそうなのですが、フロストガラス自体は前から使おうという話が出ていたんです。

小林さん:私が知る限りはXperia Z2の頃から話として出ていましたね。

ギズ:でも採用はしなかった。

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久保田さん:当時の技術では、フロストガラスの強度的な課題がクリアできてなかったからです。それからずっと研究開発は進めていたのですが、Z5で採用したいという具体的な話が出てから開発スピードがグッと上がり、技術的にも間に合わせることができました。タイミングがうまく合ってくれましたね。

ギズ:手触りや透け具合にもこだわりが?

久保田さん:もちろんです。フロストのかけ方でガラスの下にある色の見え方も変わりますし、汚れが拭き取れる凹凸具合、指紋の付きにくさや手触りなど、バランスをしっかりと調整しています。

指紋センサーとデザインを両立させるための苦労

ギズ:指紋が付くといえば、今回から指紋センサーを搭載しましたね。もともとXperia Zシリーズは電源キーが自然に握ったときに親指がくる位置にあるので押しやすいのですが、指紋センサーが電源キーに搭載されたことで、ますます便利になりました。

小林さん:ありがとうございます。実はこの指紋センサー、搭載するのにかなり苦労したんですよ。

ギズ:といいますと?

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小林さん:指紋の認証率は、センサーが大きい方が精度が上がるのです。しかし、Xperia Zシリーズは薄型の筐体にこだわっているので、指紋センサーを入れるからといって分厚くすることは絶対にできません。

ギズ:それなら指紋センサーの位置を変えるとか……。

小林さん:たしかに背面に置けば、かなり設計が楽になります。でも指紋認証のセンサーを入れる場所は、Xperiaのアイデンティティであり、自然に指が触れる電源キーの位置であるべきだと考えたのです。あるいは、側面の電源キーが出っ張ってもいいなら設計が楽になるのですが、やはりそれはありえない話でした。Xperia Zに搭載する以上、筐体デザインを妥協することはできません。この厚みにセンサーを入れて、なおかつ使い勝手のいいものにすることが絶対条件でした。

ギズ:難しい条件ですね。しかし、結果としては克服できたわけですよね。

小林さん:実は従来のセンサーではどうしても収まらなかったのですが、新型センサーの開発の前倒しをパートナー会社にもご協力いただき、何とかクリアして発売に間に合わせることができました。

Xperia Z5の開発における関門は指紋センサーの防水性

ギズ:うーん、すごい話ですね。しかも、指紋センサーを搭載しても防水性能は変わっていませんよね。

小林さん:そこはもっとも苦労したところです。薄型の筐体に収めるために指紋センサーを小型化したことは先ほどお話した通りですが、センサーサイズが小さくなると今度は防水性の確保が難しくなるのです。そこでコンセプト設計の段階から、ユースケースを想定した繰り返し操作や落下試験などの信頼性評価を入念に行って、十分な品質を確保することができました。

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大粒の雨にあたっても、Xperia Z5の指紋センサーに問題はない

ギズ:防水と引き換えになったものはあるのでしょうか?

小林さん:防水にすることで必要になる部品の寸法や構造があるので、レイアウトやデザインには制約が生まれます。防水でなければ実現できる端末サイズやデザインもありますが、今回は過去機種からの技術進化でブレイクスルーできる部分に改善を図り、バランスのとれた商品にすることができました。

Xperiaとして何を目指すか。そこに迷いはない

ギズ:たしかに実際のデザインを見ても妥協したような点はまったく感じられません。それにしても、聞けば聞くほどデザインと機能が高い次元で両立していることに驚くのですが、デザイン担当の久保田さんと機構を担当する小林さんの間で、開発途中にそれほど大きく意見が食い違うようなことはなかったのでしょうか?

久保田さんありますよ。

小林さんしょっちゅうですよ(笑)。

久保田さん:ただ、開発のメンバーは全員がXperiaユーザーでもありますから、何を目指すべきかという共通認識にブレはありません。その上で技術的な難しさやデザインについては何度も議論を重ねていますね。

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豊かな生活に寄り添うXperia

小林さん:たとえば設計の都合で、側面のパネルを分割しないといけないという話が出たことがあったのですが……。

久保田さん:それはXperiaのデザインとしてありえないということで、試行錯誤して分割せずに達成できたのです。Xperia Zシリーズのコンセプトは「一枚の美しい板」ですから。

カメラが出っ張ることはありえない選択だった

ギズ:一枚の板といえば、カメラ部分は出っ張っていませんよね。これだけ高性能なカメラを搭載していながら、この厚みに収めるのは大変ではないですか?

久保田さんめちゃくちゃ大変でした! 私が現在の部署に異動してきたのが、1~2年前くらいで、当時はXperia Z4を開発していたんですね。カメラ窓を背面ガラスパネルと一体型にするという話になって、「そんなことまでするのか!」と驚きました。厚みがあるほどカメラの設計は楽になるんです。それに、フロストガラスだってここだけマスキングしないといけない。一体型にすることでいろいろな苦労が生まれるのですが、それがものづくりの美学だと思っています。

小林さん:Xperia Z4からカメラの厚みはキープしているのですが面積が大きくなっているので、基板のレイアウトをすべて見直して、配置し直すことで達成できました。

初代Xperia Zから継承されたデザイン

ギズ:Xperia Z5がデザインにどれだけこだわっているか、よくわかりました。プロダクトマネージャーの長島さんにもデザインについて伺いたいのですが、Xperia Z5のデザインをどのように評価されていますか?

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プロダクトマネージャーの長島さん

長島さん:個人的な思いなのですが、Xperia Z5のデザインがデザイナーから上がってきたとき、すごく好きなデザインだと感じました。実は私、初代のXperia Zでもプロダクトマネージャーを担当していたのです。それからしばらく離れていて、今回また担当することになりました。それもあってZのデザインが大好きなのですが、今回はその初代Zを彷彿させるデザインになっていると思います。

ギズ:具体的にはどのあたりですか?

長島さん:Zでは角ばったデザインでしたが、そこからシリーズが進みラウンド形状になって、Z5でまた角ばったテイストに戻りました。他社がラウンドデザインに行く中で角ばった方向に進み、他とは違うものが作れたと思いますね。

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写真左がXperia Z5、右がXperia Z。共通した角ばったデザイン

ギズ:デザインはもちろんですが、Xperiaは機能面にも強いこだわりを感じます。

長島さん:意地でもスペックを後退させないとか、つねにトップを走らないといけないとか、そういう思いはあります。特に厚みに関しては毎回プレッシャーを感じますね。機能とデザインのバランスを間違えると、結果的にお客さんの望まないモノになってしまいますから。

ギズ:Xperia Zシリーズで一番大事にしていることを教えてください。

長島さん:一言でいうとやはり「デザイン」でしょうか。機能だけを求めてかっこ悪い箱を作っても誰も持ちたくありません。しかし、機能を落とすこともしません。私たちはXperiaを「高機能な化粧箱」を作っているつもりで開発しています。

ギズ:今後、Xperiaはどうなっていくのでしょう。

長島さん:スマートフォン自体がコモディティ化している流れの中で、そろそろ違う変化が必要なのではと考えています。お客様が迷わず、Xperiaを選んでもらえるような特長を出していきたいですね。

スマートフォンは来るところまで来た?

デザインと機能を両立させることの難しさが伝わってきた今回のインタビュー。その中で開発陣は一切の妥協をすることなく、「高機能な化粧箱」を作り上げました。

特に指紋センサーを搭載したにも関わらず防水性や使い勝手がまったく落ちていないところに、Xperiaならではの意地を感じます。

生活に欠かすことのできない高機能な道具でありながら、強く主張することなく日常に溶け込むXperia Z5。これからのスマートフォンのあり方に一石を投じる機種になるのかもしれません。

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source: ソニーモバイル

(山田井ユウキ)