年間550万人の早期死亡。大気汚染を減らすことは直接的な人命救助である

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大気汚染は毎年世界で300万人の早死に繋がっているという研究結果がNatureに掲載されニュースとなりました。しかし、アメリカ科学振興協会(American Association for the Advancement of Science)の年次ミーティングでは、それよりももっと悪い数字が提示されたようです。大気汚染による早期死亡は年間550万人であるとする推測が発表されました。

ブリティッシュコロンビア大学とワシントン大学・保健指標評価研究所による共同リサーチであったこちらの研究、188か国からデータを集め1990年から2013年の間の健康リスク要素と大気汚染レベルを比較したそうです。多くの国では過去20年間に大気汚染は減少してきたのですが、グローバルなレベルでは、危険な排出量は増加しています。また中国や南アジアにおける人口の増加と急速な都市化もあわさり、なんと世界の全人口の85%が、WHOの定めるガイドラインを超える粒子状物質(Particulate Matter)レベルの中で生活をしているとのこと。

こちらの動画ではブリティッシュコロンビア大学のMichael Brauer教授が、大気汚染が原因の死亡について語っています。

この研究が他のリサーチと少し異なっているのは、化石燃料の燃焼によるスモッグや粒子状物質(PM)だけでなく、屋内の大気のクオリティも扱っている点です。発展途上国では屋内で木、炭などを燃やして料理することが原因で、何百万人もの人が早期死亡のリスクにさらされているそうです。そのような煙を吸い込むことは重大な肺・循環器の疾患の原因となります。

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発表された研究では大気汚染は世界規模の問題であるとはしながらも、中国とインドがこの推定死亡数の半分を占めていると指摘します。2013年には大気汚染が原因で中国では160万人が、インドでは140万人が死亡したと考えられるそうです。

しかしパリでの気候変動会議では中国もインドも石炭発電を減少させ、自動車による排出量を減らすと協定に合意したことは忘れてはいけません。Brauer教授は、この2カ国が対策をとることで直接的に人命が救われるだろうと言っています。

大気汚染は世界規模で見て4番目に高い死亡リスク要素です。また環境による疾病リスク要素としては圧倒的に一番となっています。大気汚染を減少させることは人々の健康を改善する方法として極めて効果的です。

source: University of British Columbia

Alissa Walker - Gizmodo US[原文

(塚本 紺)