狙うは中華ブラウザ? Operaを中国企業グループが買収準備中

狙うは中華ブラウザ? Operaを中国企業グループが買収準備中 1

喉から手が出るほどほしかった?

Operaというブラウザのことを知っている人は、かなりのテクノロジー通でもあるかもしれません。昔は、Internet Explorer(IE)やChrome、Firefoxブラウザと肩を並べるべく、高速軽量ブラウザとして幅広く支持が広がっていたこともありました。でも、いまではすっかり落ち目のようです。たとえOperaの存在は知らずとも、Wiiユーザーであれば、インターネットチャンネルのフルブラウザとしてお世話になっていた人も少なくなかったはずなのですが……。

ところが、そんなOperaを、驚きの12億ドル完全に買収してしまおうという動きが、いま中国から活発になってきていますよ! 中国では有名なセキュリティ企業のQihoo 360、オンラインゲーム企業のKunlun Tech、投資ファンドのGolden BrickおよびYonglianがタッグを組み、Operaを手中に収めることを目指すコンソーシアムが立ち上げられました。

Kunlun Techは、中国のインターネット業界で世界的な成長を記録してきたパイオニアのような存在です。すでにアジア、ヨーロッパ、そのほかの市場で、多大のシェアを獲得することに成功してきました。OperaをKunlun TechならびにQihoo 360などと組み合わせることで、世界のインターネットユーザーに向けて、トップレベルのサービスを着実に提供できるコンソーシアムが立ち上がります。

今回の買収提案の狙いを、Kunlun TechのYahui Zhou CEOは、こんなふうに説明していますね。ブラウザ開発や、それに伴うデータ圧縮技術、モバイル広告事業などで強みを持つOperaを取り込み、中国市場のみならず、世界に打って出られるような新サービスの発表も目指されているようです。

このコンソーシアムによるOperaの買収は、戦略的にも事業分野でも、大いに意義があるものです。高い専門性と新興市場での強みを活かせることから、コンソーシアムはOperaの強力な買い手となることでしょう。買収を受け入れることで、ユーザーに対するOperaのサービスは一層強化され、より革新的なパートナーシップを得たり、成長を加速させることにもつながっていきます。

すでにOperaのLars Boilesen CEOは、このような公式声明を出し、株主に対して、買収案の受け入れ承認するように求めています。なんといっても、12億ドルという巨額の買収金額は、買収の噂が広がる前、大いに落ち込んでいたOperaの株価に53%ものプレミアムを上乗せした価格となりますからね。

まさに相思相愛の買収交渉のようにも思えますけど、今後は買収の成立に向けて、政府による承認などを経る必要がありそうです。Operaが有している技術資産は、業績こそ低迷してきたとはいえ、光るものがあり、それをすべて中国企業に奪われてしまってよいものか? いろいろと賛否両論も飛び交っているんだとか。

中国といえば、インターネットユーザーの厳しい検閲体制が有名ですけど、まさかOperaによって、恐るべき情報統制ブラウザが誕生するような展開になったりはしないよね? 巨額の資金獲得を意味する今回の買収提案は、Operaにとっては、うれしい限りのようですけど、セキュリティ向上を理由にユーザーのシステムを監視可能なソフトウェアを提供するQihoo 360などの手に渡ることから、一抹の不安がよぎるというのは考えすぎでしょうかね?

source: Re/code

Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文

(湯木進悟)