クック「FBIの要求はソフトウェアの世界に癌を書けと言ってるようなものだ」

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あれよあれよという間にプライバシーのガーディアンに祭り上げられてしまったクックさん

まあ、ここまできたらクックCEOとしてもやるしかないわけですよ。

ジョブズの後釜、右腕、実務派、無口な男、肝臓拒否された男、エナジーバーを貪り食う男、ノーファッションなどとかく地味なイメージのつきまとうティム・クックCEOですが、今度は違います。ABCワールドニュースのアンカーのデビッド・ミューアをつかまえて、FBIに徹底抗戦の意気込みを語りました。

ミューア「『なぜアップルは捜査協力を拒否するのか。理解できない。怒りを感じる』とサンバーナディー乱射被害者の遺族が語ってます。これについてはどう思われますか?」

クックCEO「FBIの捜査には全面的に協力している。持てる情報は全部出した。エンジニアもボランティアで出した。しかしこの件は携帯1個の話じゃない。未来がかかってる。われわれの意に反して政府は世界中のカスタマーを危険に晒し、引いてはこの国家の根幹である人民の自由を揺るがすコードを書けと強制している、それが許されるのかということです」

ミューア「つまり犯人の携帯のロックを解除するには、そのシステムを書かなければならないと仰るんですね?」

クック「そう。われわれの知る限りそれが唯一の方法だ。そしてそれはなんというか…ソフトウェアの世界で言う癌(がん)のようなもので、そんなもの書いたこともないし書きたくもない。それを書けと言われてるわけですよ」

ミューア「しかし世論の51%は『アップルは協力すべき』と答えてます。コード書くべきと言ってる人たちにはなんと?」

クック「政治家も世論も徐々に味方してくれている。応援のメールも何千通と届いた。一番大きいのが軍。国のために働く軍から、国のために起ち上がれってメールが来てる」

ミューア「読むんですか?」

クック「1本1本全部読んでるとも。[...]ほかの大勢の人に危害が及ばないなら、携帯1個の情報ぐらいとっくの昔に公開してる。しかしそうじゃない。アゲイン、これは携帯1個の話じゃない。未来がかかってるんだ」

ミューア「結局一番の焦点は、この携帯にはいってる情報で未来のテロが防げるのかってことですよね」

クック「携帯に情報入ってるかどうかもわかんないしね。あるかないか。それもわからない。アップルもFBIも。それをアンロックすることで何千、何百万もの人を危険に晒していいのかってことですよ」

ミューア「コーミーFBI長官はこう言ってます。『14人もの人間が殺された。摘発に必要な情報は全部洗うのが筋だ』」

クック「言ってることはわかります。非常に複雑な問題です。しかし未来を考えないと。いいですか。仮に法廷の命令でそのバックドアを書いたら、次に何を要求されるんです? 監視用OSですか? 警察が携帯のカメラを起動するシステムを書けと言ってくるかもしれない。どこで止まるかもわからないでしょ。ひとつだけはっきり言えるのは、こんなことこの米国であってはならないということですよ。法治国家なら。これはもう議会の場で争うしかない」

ミューア「NY市警の人はこう言ってます。『アップル幹部の子どもが誘拐されたら、すぐ携帯の中身なんて見るんでしょ?』」

クック「いやいやいやいや。だからね、うちが持ってる情報は全部出してるんですってば。もうこれ以上の情報はない。そのソフト書く以外、入手方法がないんです。そしてそれがソフトウェアの世界で言う癌(がん)みたいなものだと言ってるわけです」

ミューア「結局、裏で捜査協力なんていくらでもできるじゃないですか。そしたら誰も気づかないし、騒がない。なぜこんなことに?」

クック「FBIの戦略はわからない。とにかく公にしてやることにした。だから受けて立ってるだけですね」

いや~メール数千通も1本1本読んでたらインタビュー出る間もないと思うんですが、それをわかって言い切るクックCEO。やる気です。

Bryan Lufkin - Gizmodo US[原文

(satomi)