フォードが車の先の未来を模索中、IDEOが協力

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21世紀にフォードの居場所を作れるか。

1908年、T型フォードの誕生によって自動車の価格は劇的に下がり、一般の人でも自動車を一家に1台、その後はひとり1台だって、持てる時代がやってきました。個人が公共交通機関に頼らなくても自在に、かつ短時間で遠出できるようになったことで、社会は大きく変わりました。そんな自動車社会の原点ともいえるフォードが、自動車の先の次なる交通手段を模索しています。

フォードには自動運転車に関するグーグルとの提携の噂もあるし、オンデマンドバスとかカーシェアリングアプリはもう発表されています。さらにニューヨーク・タイムズによれば、フォードはデザインファームのIDEOとのパートナーシップによってポスト自動車時代を描こうとしています。

IDEOといえば、アップルの初代マウスや世界初のラップトップをデザインした会社です。彼らは「デザイン・シンキング」と呼ぶ独自のプロセスを通じて、フォードのインタラクティブダッシュボードも開発しています。現在IDEOはロンドンと上海、そしてシカゴで、20世紀初頭における自家用車と同じくらい画期的な製品・サービスのプロトタイプを作ろうとしています。

ニューヨーク・タイムズはIDEOのラボを訪れ、デザイナーがシカゴの車以外の交通手段をテストする様子を伝えています。たとえば、「重い買い物袋を持って、3人で10ドル(約1,150円)以内で、45分以内に指定のレストランに行く」みたいなことを試しています。一見なんてことないゲームみたいにみえますが、これによって車以外の既存の移動手段の強み・弱みを洗い出そうとしているのです。

彼らはまた、3つの都市で職種も年代も違う人たちの移動手段や関連する行動を数カ月間トラッキングしてもいます。またフォードもIDEOも明言はしていませんが、シカゴとロンドンではIDEOが開発した何かがテストされているようです。

自動車会社が移動手段を根本から考え直すのは素晴らしいことですが、それはもう遅すぎたかもしれません。カーシェアリングに乗り出すといっても、先行しているZipcarは創業してから丸15年になります。他の自動車会社も、たとえばGMだってカーシェアリングサービスLyftとの提携を発表しています。今このタイミングで、フォードが他社を出し抜くようなアイデアを打ち出すのは簡単ではありません。

それでも、IDEOと組むことで何か新しいものが交通の世界に生まれるかもしれません。たとえばロサンゼルス市はゼロックスと組んで、バスや車、Lyft、Zipcar、自転車、バイクなどあらゆる交通手段の組み合わせを「早さ」「安さ」または「環境への優しさ」といった基準で選べるアプリを発表しました。そんな風に、新しい選択肢や価値観を踏まえたうえで、その先の何かを独自の発想や技術で作り出すことが求められています。フォードは自らが作った自動車会社という枠組みを破り、21世紀に再び革命を起こすことができるのでしょうか?

source: New York Times

Alissa Walker - Gizmodo US[原文

(miho)