重力波検出を宇宙空間で。LISAパスファインダー、始動

重力波検出を宇宙空間で。LISAパスファインダー、始動 1

1億分の1mmの正確さで、重力波による揺れを捉えようとしています。

先週、重力波直接検出成功のニュースで世界中が沸きましたが、これはまだ始まりにすぎないようです。重力波を地球ではなく宇宙空間で検出しようというプロジェクトがあるんです。その先駆けとして2015年12月3日に打ち上げられた宇宙船LISAパスファインダーでは今、本格的な実験が始まりつつあります。

このミッションの目的は、宇宙重力波望遠鏡の実現に向けて必要な技術を検証することです。そのために今進んでいる実験は、金とプラチナでできたふたつの立方体を自由落下状態に置き、それぞれの位置をレーザー干渉計で正確に測定するというものです。地球から150万km離れた空間にあるLISAパスファインダーに載った立方体は、宇宙放射線や太陽風の影響を受けず、重力波で揺らされたときだけ動くと考えられています。その立方体はこれまで装置の中で固定されていましたが、今週無事に自由落下状態へと解放されたんです。

「LISAパスファインダーは完ぺきに動き続けています」とマックス・プランク重力物理研究所のディレクター、Karsten Danzmann氏はプレスリリースの中でコメントしています。「試験質量(訳注:立方体)の解放には多少の学習が必要になりましたが、研究チームはすぐに解決策を見つけ出しました。宇宙でふたつの自由落下する試験質量を使ったレーザー干渉計実験が成功したのは、世界初です!」

一辺46mmのふたつの立方体は、お互いに38cmしか離れていません。その間にレーザー干渉計があり、立方体の位置を1億分の1mm単位という正確さで測定します。その測定ができれば、重力波が太陽系を渡っていくとき、立方体が波に乗るサーファーのようにはねるのを捉えられるというわけです。

ただ今回の実験では、重力波検出は期待されていません。ここでテストされているのは、より壮大な宇宙ベースの重力波観測所へと拡大できる基礎技術です。地球という小さな星では空間も限られ、たとえば実験施設の近くを通るトラックの振動などのノイズもあるため、研究者たちは宇宙に重力波観測施設を求めたのです。

LISAパスファインダーの先にはeLISAというミッションがあり、そこでは宇宙船2機を100万km離して配置、それぞれに試験質量を載せて距離を測るという壮大な実験が予定されています。重力波そのものがSFより奇なるものなんですが、それを宇宙船何台も飛ばして捉えようとか…物理学って素晴らしくクレイジーですね。

source: Max Planck Institute for Gravitational Physics

Maddie Stone-Gizmodo US[原文

(miho)