「MacはPCではない」はひと昔前の話


「PCをパソコンの略だと思ってるのはWindowsユーザだけ」、「MacはPCではない」という話がありますが、今はMacもPCもハードウェア上の違いはない、「すべてのMacはPCだ」というもあって、へー!となりました。

なんでそんな話になったかと言いますと…

先日「スマートフォンは携帯ではない」と言う人がいる、というのがギズで話題になったときに、サイトはおおまかにPC版/携帯版/アプリとあってスマホはPC版も見れるからね、となり、そんなこと言ったらPC版(英語ではデスクトップ版=ウェブ・デスクトップ版)と言いつつMacでも見れるけど…と屁理屈こねて、今はどうなのかなーと思って後で調べてみたら「今のMacは全部PCだ!」という記事が目に飛び込んできた、というわけです。

「MacはPCではない」と言われる理由

まずその前になぜ「MacはPCではない」と言う人がいるのか、ですが、これはオープンな技術規格としてIBMが1981年代に公開したアーキテクチャの名前が「IBM-PC」(このPCはパーソナルコンピュータの略、日本ではIBM-PC/ATと呼ばれることが多い)だったことに由来します。

これで誰でもパソコン作れるようになってWindowsも乗っかって、世界はクローズドのMacとオープンのIBM-PC互換機の二派にわかれました。IBMがコンピュータ事業から撤退した今もこの規格は残ってます。

アメリカで「PCマガジン」っていうのがありますけど、あれももともとはIBM-PC互換機マガジンとして1982年1月に創刊したものです。どのメーカーもハードやソフトが作れるようになったんだから情報誌がないとね、ということで。まあ、数年後の1984年にはMacも出たので、Macもカバーしはじめましたが。

もうひとつ「PCワールド」っていうのがありますけど、あれは少し遅れて1983年3月に創刊したIBM-PC互換機マガジンで、親会社はMacワールドと同じくIDG。2008年に「Macワールド」元CEOが「PCワールド」新CEOに就任する早々、「アップルのここが嫌い」というHarry McCracken編集長の軽口記事をボツにして、編集長が抗議辞任する事件がありましたよね。あれでもわかるようにここで言うPCは、パソコンではなくIBM-PC互換機です(え?…そんな昔話出さなくてもわかったって?…はい…)。

やがてIBM-PCという呼び名は廃れ、PCになりました。多勢に無勢でPC=Wintel*と思われがちですが、IBM-PC互換機という意味ではLinuxもPCです。

*WintelとはIntel製のCPUとWindowsを搭載したコンピューターの通称

「MacもPCになった」のはいつ?

160224_intel_01.jpg

Macは1994年からPowerPCアーキテクチャ(このPCはパフォーマンスコンピューティングの略。IBMとモトローラとアップルが共同開発した)を使っていました。

しかし2005年6月のWWDCでジョブズはMacのPowerPCをインテルx86に移行することを発表。翌2006年から移行し、これでMacもPCと同じインテル製チップになりました。PowerPC Mac(PCではないMac)は2009年のMac OS X 10.6 Snow Leopardをもってオシマイに。

ちょうどこの2006年から2009年にアップルが流したCMが「I'm a Mac. I'm a PC」(動画上)というのも、面白いですよね。

ハードウェア的な違いはほぼない

「MacとPC(Win)はハードウェアが違う」と言う人がいますが、そんなわけでコアの部分は今やほぼ一緒です。

MacもCPUはインテルチップで、Windowsのウルトラブックと変わりません。MacにSSD作ってるサムスン・東芝・サンディスクは、WintelノートにもSSDを作ってます。MacのディスプレイはLGとサムスン製。Macではマザーボードを「ロジックボード」と呼びますが、呼び名が違うだけで、PCのマザーボードと大差ありません。

Boot Campを使ってMacにWindowsをインストールする際に提供されるWindowsのドライバ群も、その多くはWindows PCで普通に使われているドライバです。

トラックパッドなどMac専用のハードもありますけどね。あとは値段が違う、というぐらいの差なのです。

というか今はWindowsでMacも動く

WindowsマシンにMacをインストールする「ハッキントッシュ」。これも可能になりました。アップルがMac用に書いた専用ドライバも、PCで問題なく動きます。

MacでWindowsも動く

その逆もアリです。昨年の夏には「Boot CampもWindows 10に正式対応」というニュースもありましたしね。最近はエミュレータ抜きでインストールできます。別にYellow Dog Linuxとか探さなくても、WindowsもLinuxも好きなディストリビューションをそのまま導入できます。

というか、今やWinやLinux用にMac買う人がいるぐらいです。特にMacBook AirやMacBook Proなんかの1000ドル超えノートではMacのシェアが大きいので、同じ値段のWinに比べてスケールメリットがあるのだそうな。Windows OSは別売になりますけどね。

別の意味でMacはPC

Macintoshが世に出たのは1984年1月で、IBM-PCの数年後でした。IBM-PCは字面の上では「パーソナルコンピュータ」ですが、それは単にメインフレームがないってぐらいの意味で、DOS覚えるのは一般の人には難しくて、主力ソフトもワード・表計算・データベースというオフィス仕様でした。

これに対しMacintoshはコマンド覚えなくてもグラフィカルに誰でもマウスで操作ができた。その意味では「IBM-PC以上にパーソナルコンピュータだった」と言うMacユーザーも多いですけどね。

それやこれやがゴッチャになってこの話題がヒートアップしたのも、今は昔なのかもしれません。

source: HTG, LowEndMac

(satomi)