ミツバチを殺し続けるウイルス、それを止められるのは人間だけ!

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ミツバチが滅びると私たち人間も滅びちゃいますから!

世界中でミツバチが悪魔のようなウイルスにやられまくっています。そしてこのウイルスの原因は、なんと人間。植物や穀物の授粉を助けるという私たちの生活に大きな役割を果たしているミツバチ。彼らを守る対策というのが、実は割と簡単なことなんです。

変形羽ウイルス」は、ここ数十年で世界中の何百万匹ものミツバチを死なせているウイルスです。ハチのウイルスには、もちろん自然が原因となっているものもありますが、今日の科学的な研究によると、このウイルスについては人間が原因だということ。人間がウイルスに感染し吸血ダニを保持しているセイヨウミツバチの世界的な貿易を行ない、広げてしまっているのです。

ミツバチたちを守り、数を増やすには、私たちの穀物の30%をミツバチが授粉する状況にしなければいけません。「吸血ダニを持っている、いないに関わらずミツバチの動きをしっかり把握して管理しなくてはいけません」と語るのはエクセター大学の生態学者Lena Wilfertさん。

農家は長い間ミツバチの授粉に依存してきましたが、20世紀中盤から虫と農家との関係が大きく変わってきました。セイヨウミツバチのような種は、世界中に輸出されるようになり、農家において、授粉するためのミツバチを国境を越えて日常的に交換するようになってきました。

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顕微鏡で見た吸血ダニ

ミツバチを世界中に輸送するのは、結果的には農業にとってよいこととされてきましたが、生物学的な影響もありました。ここ数十年、世界中の農家たちは、ミツバチが大量死するのを見てきています。アメリカでは1947年から2005年の間に、なんと驚くべきことに59%ものミツバチが減ってしまったそうです。「蜂群崩壊症候群」と呼ばれるこの現象の原因が、殺虫剤や農家の集約化によって起こっているのです。

しかし、もっと大きなミツバチの脅威はウイルスです。とくに吸血ダニによって引き起こされる変形羽ウイルス。ダニもウイルスもそれぞれ有害なんですが、一緒になると最悪のコンビです。ダニはミツバチの幼虫を餌にしながら、大人のミツバチに対してウィルスの効果をどんどん促進してしまいます。

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吸血ダニがハチの幼虫を食べている様子

世界中に広がる変形羽ウイルスを研究するために、Wilfertさんと同僚たちはまず、17カ国でミツバチとダニのウイルスの何百というサンプルを集めて、データベースとともに変形羽ウイルスと比較してみました。チームは吸血ダニがどのように広がっているかというのも調べました。

結果はというと、変形羽ウイルスは感染したミツバチと一緒にヨーロッパから北アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドまで広がっていました。広大な距離を渡る急速な広がりは、人間のせいだろうと研究者たちは結論付けています。

ミツバチはおいしい物のためなら、10キロも飛びます。ダニもウイルスもものすごく速く広がったので、明らかにハチのコロニーの動きと関連していると思われます。」とWilfertさんはギズモードに語っています。

でも、この病気の蔓延を鎮めるためにできることは、ちゃんとあります。まず、国境を超える際にはハチの健康検査をするなど、輸送管理を厳しくすること。このような規制の動きがここ10年のうちにありますが、まだまだ普及していません。

Wilfertさんは、農家や養蜂家は自分たちの飼っている蜂群にダニがいないかどうか、定期的にチェックすべきだと話しています。「ウイルスをコントロールし、ミツバチを健康に保つことで、他の養蜂家たちを守ることにもなり、野生のミツバチの数を増やすことにもつながります。」とのこと。

ミツバチはこの現代社会の驚異に直面している状況です。そして彼らが生き延びるためにはかなりの努力が必要となります。でも、私たちの大切な穀物の授粉をしてくれるミツバチがいなくなると、私たちの食べ物もなくなってしまうのと同じことなので、これは絶対になんとかしなくてはいけない深刻な問題です。

image by University of Hawaii

source: Science

Maddie Stone - Gizmodo US[原文

(リョウコ)