ネズミはどんな動画が好きかを実験した結果

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さてマウスの好きな動画は何でしょう?

慶応大学の研究チームがマウスに「マウスのケンカビデオ」や「マウスが匂いを嗅いでいるビデオ」などをiPodで見せると、どのような行動をするかを数週間に渡って観察しました。その結果、マウスはちゃんと社会的行動を区別していて、さらにはケンカのビデオが一番好きということがわかりました。

生物学者、心理学者、社会学者たちはこれまで何十年も「行動」を分類する方法について研究してきました。慶応大学では、研究者たちがおこなってきた「行動を分類する」ことがマウスに可能かというリサーチをおこないました。実験の結果が最近の論文Animal Cognitionで発表されています。

まず、研究チームはマウスに繰り返しループで流れるビデオクリップを見せました。「マウスが交尾しているビデオ」、「マウスがケンカしているビデオ」、そして「マウスがお互いの匂いを嗅いでいるビデオ」の3パターンです。その後、それぞれビデオが流されている2つの小さな区画のある部屋に移されます。

それぞれの区画で1種類づつビデオを見せ、それぞれの部屋にマウスが滞在した時間によって、どのビデオが好きかを判断します。まず、匂いを嗅いでいるビデオと交尾のビデオでは、マウスは全体の時間の41%を交尾ビデオの部屋で、34%を匂いを嗅ぐビデオを部屋で過ごしています。そして、交尾のビデオとケンカのビデオでは、40%をケンカビデオの部屋、35%を交尾ビデオの部屋で過ごすという結果になりました。

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でも研究チームは、マウスたちがどんなビデオよりももっと好きなものを実は知っていました。モルヒネです。実験の第2部では、特定のビデオの部屋に入る時にモルヒネを注射。交尾ビデオの部屋に入った半分のマウスたちにモルヒネを注射し、残りの半分のマウスたちはケンカビデオの部屋に入った時にモルヒネを注射しました。

モルヒネの注射は、マウスが本当に行動を区別しているのかを確認するためのものです。そしてこの実験では、様々なビデオを見せて、特定のビデオに反応するのを見るだけでなく、ある特定の行動をした時にモルヒネの注射を受けられると認識する能力を調査しました。

すると、研究チームは交尾ビデオの部屋でモルヒネを注射されたマウスは、前の実験でケンカのビデオの方が好きだったにもかかわらず、交尾ビデオの部屋により長く過ごすようになったことを確認しました。そしてケンカのビデオの部屋でモルヒネを与えられたマウスはケンカの部屋で待つようになりました。これは、マウスが分類システムを明確にできない場合であっても、「セックス」や「暴力」などのカテゴリーに分類することは可能だということになります。何が好きかというのがわかっているということです。

もしマウスの好みがよりアクション好みで、また何よりもドラッグが好きなのであれば、ちょっと悲しくなりますね。研究チームはなぜ、マウスがケンカのビデオが好きだったのかはわからないようです。もしかするとマウスだってケンカの強さを張り合いたいとか、危険を感知しているためじっくり見たいのかも。もう一つ言えることは、今回実験に使われたマウスは全部交尾経験のないオスだったそうです。もしかすると、マウスのポルノがよくわからなかったんでは? とも考えられますね。

image by Rama/Wikimedia

Source: Animal CognitionNew Scientist

Esther Inglis-Arkell - Gizmodo US[原文

(リョウコ)