スーパーアースの大気、初めて分析される

2016.02.19 13:00
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第二の地球、見つかるか?

スーパーアースとは地球より大きな太陽系外惑星で、でもガスの惑星みたいに巨大ではない、岩石でできた星です。それは、我々の銀河においてもっともありふれた惑星の形態だとも考えられています。そんなスーパーアースの大気の分析に、ハッブル望遠鏡が初めて成功しました。

地球から40光年の位置にある「かに座55番星e」は2004年、ドップラー分光法という比較的古くからある手法で発見されました。太陽系外惑星としては早期に見つかった星のひとつです。その環境は地獄みたいに高温なので、我々が知っているような生命体は存在しえないと思われています。ハッブル望遠鏡が捉えたのはそのかに座55番星eの大気なのですが、生命体がありえてもありえなくても、それは太陽系外におけるハビタブルゾーン探求の重要な一歩となります。

というのは、これから次世代のよりパワフルな宇宙望遠鏡を使って、より小さくて低温の太陽系外惑星も調査されようとしているからです。その結果によって、太陽系周辺に生命がありえないのか、それとも地球的な環境があふれているのかがわかってくるはずです。

かに座55番星eの場合、主星(太陽のような星)に非常に近い軌道を周回していて、1周するのに18時間しかかかりません。主星に近いために表面温度も高く、摂氏2000度もあると見られています。また星を構成する物質はまだはっきりわかりませんが、密度が高いと見られているため、この数年いろいろな憶測を呼んでいました。たとえば鉛のボールであるとか、きらびやかなダイヤモンドでできているといった説があります。

ハッブル宇宙望遠鏡のデータからはさらに、新たな知見が得られつつあります。The Astrophysical Journalに掲載された論文によると、研究チームはかに座55番星eがその主星と地球の間を通過するときの主星の光の変化を分析しました。その結果、かに座55番星eの大気には水素やヘリウム、もしかしたらシアン化水素などが含まれていることがわかりました。

論文共著者のJonathan Tennyson氏いわく、これらが次世代の宇宙望遠鏡で確認できれば「この惑星は炭素が豊富な非常に珍しい場所だという仮説を裏付けることになるでしょう」。ただしシアン化水素=青酸には殺虫剤や化学兵器にも使われるほど強い毒性があり、そういう意味でもかに座55番星eは生物向きじゃないようです。

次世代の宇宙望遠鏡「ジェームズ・ウェッブ望遠鏡」は2018年打ち上げ予定です。これで他のスーパーアースの分析を進めていけば、いつかもっと暑すぎず寒すぎず、大気に毒も入ってない、地球そっくりの惑星が見つかるのかもしれません。


source: The Astrophysical Journalarxiv.org

Maddie Stone - Gizmodo US[原文
(miho)

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