コウモリはエボラウイルスを持っているのに死なない理由

2016.02.26 21:00
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コウモリ最強伝説。

コウモリは、エボラ出血熱から中東呼吸器症(MERS)までいろんな病気を広げる厄病神の扱いされがちですが、よく考えてみるとなぜコウモリ自身はその病気にかかって死なないんでしょう? 新しい研究では、コウモリがウィルスを持っているのに死なない理由が明らかになっています

オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)チームがコウモリの遺伝子と免疫システムを観察。あまり知られていませんが、実はこの2つは関連性が強いんです。免疫システムの一部を形成するのがインターフェロンと呼ばれる物質です。このインターフェロンは、宿主本体がウィルスなどに感染した際に特定の遺伝子に作用をします。そしてこの遺伝子が病気と闘うように反応する宿主を作り出すわけです。研究チームは、コウモリのインターフェロンの数が人間よりも少ないことを突き止めました。でもコウモリたちは、この少ない数でいろいろがんばるんです。この研究の結果は米国科学アカデミー紀要に掲載されています。

人間には12のインターフェロンがあります。1番研究されている種類は、I型インターフェロンです。I型インターフェロンは人間がウィルスやバクテリアに感染すると素早く動き出します。このインターフェロンがウィルスと闘うタンパク質を作り出し、免疫システムを活性化するんです。

インターフェロンによって活性化された細胞は「ナチュラルキラー細胞」と呼ばれます。体中をパトロールして、ストレスを受けている細胞を見つけ出し、「サイトカイン」と呼ばれるタンパク質を放出します。サイトカインは細胞壁を溶かすことで細胞を自己破壊をさせ、分裂を止めたり、アポトーシスを促進したり、もしくはウイルス増殖の抑制をしてくれます。

当然、自己破壊されたら気分がよいものではありません。私たちが気分が悪くなる時は、だいたいI型インターフェロンが自分の細胞を破壊している時なんです。人間の体内では、I型インターフェロンは体が何かに感染した時だけに活性化されます。でもコウモリの場合は違うんだそうです。

コウモリには3種類しかインターフェロンがありません。なので、I型インターフェロンは常に放出されている状態なんです。何かに感染していても、していなくてもコウモリの体内はいつもナチュラルキラー細胞で溢れているんです。というわけで、コウモリの免疫システムはすごく強いんですね。でも前に書いたように、ナチュラルキラー細胞は自分の細胞を破壊するものなので、気分が悪くなるはずですよね。でもコウモリはどうしてかそれには影響されないようです。不思議です。

この研究はまだまだ始まったばかり。でもCSIROチームは、いつか私たちの免疫システムもコウモリのようになればいいなと思っているそう。そうすれば、エボラを根絶しなくても強い免疫で跳ね返すことができますもんね。


image byJames Niland
source: PNASCSIRO

Esther Inglis-Arkell - Gizmodo US[原文
(リョウコ)

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