犬には磁場が見えてるかもしれない

2016.02.25 12:10
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磁場が見えるってどんな風景なんでしょうね。

動物によっては、磁場が「見える」磁気受容という能力が備わっていることがあります。ヨーロッパの科学者たちは、磁場を見るための分子が、犬やそのほか霊長類の目の中にもあることを発見しました。

クリプトクロムとは、細菌、植物、動物が持っている青色光受容体タンパク質のことです。このタンパク質は概日リズム(体内時計)の調節をするほかに、鳥、昆虫、魚、爬虫類などの動物たちが方角や高度、位置を知覚するための磁場を感じられるようにもしてくれます。残念ながら、人間は磁場を感じることができません。コウモリやネズミなどの一部の哺乳類は磁場を感じることができるとわかっていますが、他の哺乳類にはこの能力があるかどうかはまだわかっていません。


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マックス・プランク研究所は初めて、90の動物種の網膜について、「クリプトクロム1」とよばれる哺乳類版クリプトクロムの存在を調べました。結果として、犬、オオカミ、クマ、キツネ、アナグマなどの青錐体の中では確認されましたが、ネコ、ライオン、トラなどには確認されませんでした。他の霊長類では、オラウータン、アカゲザル、カニクイザルなどにもこの分子が見つかりました。詳しくはNature Scientific Reportsに発表されています。

「第六感」のように思えるかもしれませんが、磁気受容は動物の視覚系にちゃんと関係するものなんです。磁場は網膜中のクリプトクロム1を活性化させます。これによって動物は地球表面の磁場線を「見る」ことができるのです。活性化したクリプトクロム1は、哺乳類の錐体細胞の光に反応する外側部分にあります。研究者たちは、これが概日リズムの調整や他の視覚的な能力ではなく、磁場を感じる磁気受容を助けているのではと考えています。

この研究結果で、犬や霊長類などの哺乳類が磁場を見ることができるとすぐに言えるわけではありません。しかし、キツネには大きなヒントがあるみたいです。キツネが狩りをするとき、北東方向にいるネズミに飛びかかるとより高い確率でネズミを捕獲できるんだそうです。霊長類は、この体内のコンパスで体のバランスを保っているのかもしれません。

哺乳類が本当にクリプトクロム1を活用しているのか、それとも網膜で他の役割をしているのか、そこを明らかにしていくと磁場が見えているのかどうかの謎が解けそうです。


source: Nature Scientific Reports

George Dvorsky - Gizmodo US[原文
(リョウコ)

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