人工豚肉、4年後には食卓に。SF発スタートアップ企業が一番乗りを目指す

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岩手県産の白金豚、沖縄県産のアグー豚、ラボ産の人工豚ってね。

人工的に作り出すラボ産の肉、それは食の未来の1つ。革新的に進む人工肉、ラボ肉バーガーが食卓にのる日もそう遠くないという話です。ますます注目されるバイオテクノロジー。人工牛肉あり、人工鶏肉あり。満を持して今度はラボ産豚肉の登場です。

人工豚肉の研究開発を行なうのは、サンフランシスコを拠点とするスタートアップ企業Memphis Meats。ネタ元ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)の独占取材にて、人工牛、人工豚の開発計画と共に、食卓に提供される初の人工肉企業となる目標を語っています。彼らの展望では、3年から4年後には自社人工肉を高級嗜好の消費者向けに提供できる予定。さらに、牛、豚という肉だけでなく加工肉である、世界初のラボ産ミートボールまで研究中ですってよ。

人工肉と聞いて、すぐ思いつくのは2013年、人工肉バーガーで世の中の度肝を抜いたMark Post氏が率いるMosa Meat社。Post氏も、4、5年後の実用化を語っていました。

実用化が視野に入ってきたかなぁってな具合の人工肉ですが、賛成派反対派で大きな争点となるのは、やはりそのコスト。従来の畜産コストから、人工肉のコストを抑えられるか、どこまで抑えられるのかが重要視されます。初の人工肉バーガーの33万ドル(約3800万円)というとんでも価格から、年を追うごとに価格は劇的に下がってきています。一般レベルまでの低コスト化も、十分射程距離に見えてきたのでは。

コスト面がクリアできそうならば、残る問題はやはり技術の難しさ。技術的なハードルが高いと大量生産は困難。Mosa Meatにせよ、Memphis Meatsにせよ、人工肉の作り方は同じ。バイオリアクター内で栄養物を混ぜつつ幹細胞を培養して作ります。鍵となるのは、血流の仕組みがない筋組織に、きちんと酸素を含ませること。現状、それは培養する細胞を非常に薄い層にすることでなんとかしています。

問題は他にもあります。材料もその1つ。現段階での人工肉はウシ胎児血清が不可欠。その名の通り、牛の胎児の血液から作った血清です。これは、栄養価がとても高いのですが、価格も高い。技術コストが下がっても、材料費が高ければ、製品価格には限界があります。また、コストだけでなく、ウシ胎児血清の利用は人工肉の信念にも関わります。動物を使わないアニマルフリーが真の人工肉の目標。牛の胎児の血液を使ってできた人工肉は、コストダウンしたとしても、志半分のような中途半端な存在とも言えます。Post氏は、かつて植物ベースの人工肉開発に取り組んでいると語っていましたが、今回のWSJの取材でMenphis Meatsも、同じく植物系人工肉の開発を近々始めることが明らかになりました。ゴールはやはり、植物性の美味しくて安い人工肉。

牛肉、鶏肉、豚肉、それにミートボールまででてきた人工肉業界。5年後には、本当に食卓にあがっているのでしょうか。

image: via Shutterstock

source: WSJ

Maddie Stone - Gizmodo US[原文

(そうこ)