ジカ熱=生物兵器説が絶賛拡散中

2016.02.08 20:00
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WHOが非常事態宣言して1週間。ジカ熱をめぐる陰謀論がネットでまたぞろ拡散中です。まとめてどうぞ。


英オキシテック(Oxitec)がバラ撒いた遺伝子組み換え蚊原因説


まずこれ。デング熱を広めるネッタイシマカを駆除するため、英オキシテックが遺伝子組み換え(GM)のオス蚊を野に放ったのが、巡り巡ってジカ熱拡散の原因になってるっていう説。確かに同社はGMしてるし、ブラジルで実験も行ってるので、「へー!」って思っちゃいますけど、関連性と言ってもそれぐらいなんですよね。

第一、同社のGM蚊にはテトラサイクリン系抗生物質を投与しないと生き残れない遺伝形質が組み込まれているので、野生のメスとGMのオスが交配して生まれた幼虫は成虫に達するかなり前に死ぬんです。ジカ熱の原因になるには、テトラサイクリンを大量投与しなきゃダメなわけでして、それはちょっと考えにくいシナリオ。


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オキシテックの遺伝子組み換えネッタイシマカ (c)オキシテック


しかも同社がGM蚊を放ったジュアゼイロ市は、ジカ熱大量発生源とされる沿岸のレシフェ市から396マイル(637km)も離れた内陸です。GM蚊が発生源なら内陸から広まらないとおかしいじゃないですかね。同じ場所に見える地図も拡散中ですけど、実際は、かなり遠いです。


ロックフェラー&イルミナティ犯人説

「タイタニック号はロックフェラーが保険金目的で沈めた」というのハートを鷲掴みなのがこちらの動画です(現在再生不能)。

①ジカウイルスはアメリカ合衆国政府のアーカイブに1947年に保存されている。
②もともとはロックフェラー財団の極秘研究施設が猿から収集した。
③今やオンラインで「発注」も可能。

この極秘研究施設っていうのは世界最大の生物資源バンク「アメリカ培養細胞系統保存機関 (ATCC)」のこと。ここが細胞株収集の一環で病原菌の採集を行っているのは事実です。そこにジカウイルスがあるのも事実、研究者が申請をすれば買えるのも事実です。

しかし病原性のものを購入するのはものすごく大変で、身分証明書の提示も必要だし、勤務先の研究所の署名入りの法務文書も必要。ピザ宅配とは違うのです。


人口抑制、ワクチン被害隠蔽工作、ビル・ゲイツ犯人説


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情熱の南米×「小頭症」新生児の恐怖=人口抑制?という公式で流布しているのがこちらの陰謀説群です。何通りかパターンがあって、どれも怪しさ満点。以下のところは事実です。

・2014年後半、ブラジル政府はTdap(破傷風・ジフテリア・百日咳三種混合ワクチン)を妊婦に義務付けた。
・ビル&メリンダ・ゲイツ財団は最近、妊婦のTdapへの免疫反応の調査を開始した。その目的は「ワクチン療法の安全性を確かめること」ということになってるが…
・ネットでビル・ゲイツは優生学者という話になっている。

あとの判断は読者のみなさまにお任せします。


source: Discovery News, Science Blogs

Maddie Stone - Gizmodo US[原文
(satomi)
 

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