長さ50kmの超巨大氷山、南極から海へ漂い出るカウントダウン…

長さ50kmの超巨大氷山、南極から海へ漂い出るカウントダウン… 1

タイタニックのような悲劇が繰り返されませんように…。

海に漂う氷山は、航海するうえで非常に危険な存在です。あの不沈船とたたえられた豪華客船のタイタニックも、巨大な氷山に衝突して、ひとたまりもありませんでした。でも、これからの時代、もっと気をつけなければ大変なことになりかねませんよ。

例えば、上の写真は、地質学者のChristine Dow氏およびRyan Walker氏が、ヘリコプターで南極大陸の上空を飛びながら撮影したものですが、いままさに非常に大きな棚氷が海に向かって流れ出そうとしつつある状況が観測されています。現場付近の「Nansen」棚氷は、長さ50km、幅35kmにも達するビッグサイズとなるようですよ!

長さ50kmの超巨大氷山、南極から海へ漂い出るカウントダウン… 2

東南極に位置するテラノバ湾(Terra Nova Bay)に張り出すNansen棚氷で、海岸線と平行するような切れ目が走っているのが最初に見つかったのは2013年のことです。その後、継続的に観測が進み、昨年末には「Landsat 8」衛星に搭載されたOperational Land Imager(OLI)から、上のような画像が送られてきました。マンハッタンの倍近い面積の棚氷が、いまにも海上へ漂い出かねない状況まで、ますます切れ目が広がっていることが一目瞭然ですよね〜。

すでに南極は、これから冬を迎えようとする時期に入っており、まだ今月初めに最終的にチェックされた段階では、棚氷が沖合いへ離れたことは確認されていませんでした。ですから、どんなに早くても、この棚氷が海へ漂流して巨大な氷山化するのは、南極で厳しい冬が終わった、今年末以降になると考えられているんだとか。地質学者らは、再び折りを見て現場へと戻り、なにが原因で、このような巨大な氷山が生まれることになるのかの調査を進める予定ですよ。

ちなみに、こうした氷が溶け出す現象を目にすると、やはり地球温暖化のせいかと関連づけられがちですが、必ずしもそうと決まったわけでもないみたいです。南極大陸では、定期的に棚氷が成長しては離れて海へと漂い出るサイクルが、長い年月にわたって観測されてきました。2000年には、長さ295km、幅37kmという超巨大なロス棚氷から、観測史上最大規模の「B-15T」氷山の誕生が伝えられたこともありましたね。

ただし、このところ続々と棚氷の崩落が観測されているのは、やはり気候変動の影響が大きいとする向きもあります。場所は北極海へ移りますけど、カナダ北部のエルズミア島(Ellesmere Island)では、2008年に巨大な棚氷が次々と分離して消失。その原因は、地球温暖化以外のなにものでもないとする見方が、複数の学者たちによって表明されています。漂い出た氷山によって引き起こされる事故のみならず、溶解した氷による海水面の上昇も大きな懸念事項のようですね。やっぱり地球が暑く暑くなってきていることだけは本当なのかもしれません。

source: NASA Earth Observatory

George Dvorsky - Gizmodo US[原文

(湯木進悟)