細菌とロボットのコラボレーション...新しい! セラチア菌の助けで障害物をすいすい避ける極小ロボット

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バクテリア大活躍ですよほんと。

セラチア菌という細菌があります。一般家庭にも広く存在していますが弱毒性なので、健康な人は特に怖がる必要はない細菌です。ただ免疫力が低下している人や、感染しやすい部位にセラチア菌が接触してしまうのは注意したほうが良いみたいですね。人の尿にも含まれており、赤ちゃんがこのセラチア菌が原因で尿路感染症にかかって熱を出すこともあります。

ようするに、他の細菌の例にもれず「どこにでもいて、たまに厄介」な存在なんですね。

そんなセラチア菌が、極小のロボットが障害物を避けるガイドとして使えることが分かりました。ドレクセル大学の科学者たちが科学誌「IEEE Transactions of Robots」に発表しました。

細菌とロボット...新しい組み合わせ...!

研究ではまず光に反応する小さな四角い装置にセラチア菌が塗られました。菌のべん毛パワーで装置が推し進められるわけではないようですが、その場に浮き留まる助けになっているそうです。しかし1番大きな役目は菌をロボットに塗ることで全体に微かに負の電荷を持たせること。負の電荷を持ったロボットは電界に反応するようになります。

電界に対するロボットの反応を利用して、科学者たちは障害物の無いスペースにおいてこの極小ロボットを上下左右に動かすことができたとのこと。

この技術、将来的には培養菌、さらには人体の中で、生細胞の修正ができ自律走行型の極小ロボット技術につなげたいと考えているようです。

しかし生体組織ましてや人体の中となると障害物だらけなわけです。いくらロボットが小さいと言ってもそんな中をどうやって通過するのか心配ですよね。

その点についても解決の糸口が見えているようですよ。電気を通さない絶縁体でできている物体はその周りの電界を歪めます。研究で使われたロボットはそのような歪みに対して進路を少し変えるという反応を見せたそうです。その進路変更の反応を取り入れた走行アルゴリズムを作り出し、絶縁体の障害物を避けて移動させることに成功したそうです。

実際に動いている様子が米ギズモードのページにてビデオで見ることができます。

菌が塗られたロボットが人体に入るのは嫌だな...と真っ先に思ってしまいましたが、この研究はまだまだ初期段階のようです。そんな心配をする必要はまだ無さそうですね。医療分野の発展につながって欲しいものです。

image by Drexel University

source: IEEE Transactions on Robotics

Esther Inglis-Arkell - Gizmodo US[原文

(塚本 紺)