バンクシーの正体がまた判明。ジオファイリングで

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「正体判明!」と百回ぐらい騒がれてる世界のグラフィティアーティスト・バンクシーが、また正体判明しました。なんだかもう、100万回生きたねこのようですね。

今回使われたのは、犯行現場から犯人像を割り出す「ジオグラフィック・プロファイリング」というギークな犯罪捜査手法。刑事ものでよくありますよね。

あれの高度な数理モデルを開発したロンドン大学クイーン・メアリーのSteven Le Comber上級講師が、実証のため目をつけたのがバンクシーでございまして、さっそくロンドンとブリストル市内の作品出没ポイントをすべて洗い出し、その位置情報からバンクシーの自宅所在地の確率が高いホットスポットを割り出したんです。

すると両市とも、ある人物の家とぴったり一致しました。それは…。

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Image: Hauge et al., 2016/Journal of Spatial Science

2008年からずっとBanksyではないかと言われ続けてきたあのRobin Cunninghamさん! な~んだ~回れ右~。結果は「Journal of Spatial Science」に掲載中です。

Le Comber上級講師はBBCにこう語ってます。

「最初は候補を10人ぐらいに絞って、それぞれの確率を評価できればいいぐらいに思っていたんです。でも…有力候補がひとりしかいないことがわかって、それがみんなも知ってるあの人だったんですよ」

「BanksyとGunninghamで検索すれば43,500件ぐらい軽くヒットしますからね」

興奮を隠せない様子。

もちろん面白くないのはバンクシーです。弁護団が大学側に出版を待ってくれとストップをかけました。本当は先週もう出版される予定だったんですが、プレスリリースの文章を確かめたかったみたいですね。

まあ、心配するのも無理はありません。

今回の解析手法は信じられないぐらいアバウトなんです。カウントしたのは一般にバンクシー作品と「されている」ものだけ(なんせ匿名アーティストなのでどの絵がバンクシーかは不明。複数名の共同作業かどうかすら本当のところはわかっていない)。位置情報の異常値も外してない上に、製作年月日の時系列データとすら照合してないんですね。

さらに引っかかるのが論文のこのくだり。

軽犯テロ関連活動(例えばグラフィティ)を解析すれば、もっと重大事件が起こる前にテロリストの拠点を割り出す手がかりに使えるだろう」

好き嫌い分かれるにしてもアートを「軽犯テロ活動」って…こら!

犯罪捜査、伝染病の発生源特定に役立つジオグラフィング・ファイリング。でもプライバシーのことやら考えるといろいろ気が重い部分もありますわね。

source: Journal of Spatial Science via BBC and Economist

George Dvorsky - Gizmodo US[原文

(satomi)