FBIの隠し玉は、まさかの「いっき」子会社。iPhoneロック解除で日系企業が協力か

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ごんべが竹槍で「いっき」起こしてから、はや30年。

長期化の様相を呈してきた、FBI vs アップルのiPhoneロック解除問題サンバーナーディーノ銃乱射事件の容疑者のバックドアに関して、FBIが「もうアップルの協力は必要ない」と意味深な発言をしたのは数日前のことでした。

米司法省はその際、本来3月22日に予定されていた公聴会を4月5日に延期すると発表。理由として、iPhoneのロックを解除できる「とあるサードパーティ」からのソリューションの提案があったからだといわれていました。

そして、イスラエルYedioth Ahronoth紙によると、その隠し玉として浮上したのが、日系企業でもあるCellebrite社。本社をイスラエルに構える彼らは、モバイルデバイスにおいて独自のロック解除技術を保有しているのだそうです。これを受け、米GizmodoがFBIに取材を敢行しましたが、「サードパーティについては何も言えない」と述べるにとどまりました。

一部報道では、Cellebrite社と米司法省はすでに蜜月関係にあるとも伝えられます。彼らのモバイルデバイス向けデータサルベージ製品は、ACLU(アメリカ自由人権協会)の代理人、Nathan Wessler氏いわく「警察なら喉から手が出るほど欲しいものだろう」とのこと。

また、Motherboardは以下のようにも報じています。

FPDS(Federal Procurement Data System)によると、Cellebrite社とFBIの取引額は、2012年以降200万ドル(約2億2000万円)を超えており、興味深いのが、3月21日に約1万5000ドル(約168万円)で締結された「7台のマシーンのソフトウェア更新」という契約。これは公聴会の延期が決定されたのと同じ日である。ただし、「主に効果を発揮する場所」として記されているのは、サンバーナーディーノではなくシカゴではあるが。

さらに驚くことに、Cellebrite社はすでに米国の麻薬取締局、特許商標庁、出入国管理局、運輸保安局、さらには国務省とも契約を締結しているとのこと。彼らの製品の1つ、UFED(Universal Forensics Extraction Device)は、米人気テレビドラマ「The Fall」内で、犯人検挙に一役買うアイテムとしても登場しています。

しかしこれだけの技術であれば、やはり諸刃の剣になる可能性も秘めています。

2011年、ACLUはミシガン州警察に対し、正式な令状なしにスマートフォンのデータにアクセスしたのではないかという質問状を提出しました。その際に使われたとみられるのが、Cellebrite社の製品。ACLUは情報公開法に基づき、ミシガン州にCellebrite社製品の利用ログの提出を求めたものの、「それには数十万ドルの費用がかかる」という不可解な理由によって断られています。

一連の問題が、サンバーナーディーノ銃乱射事件で済むならば、アップルもロックを解除したかもしれません。もしくは、Cellebrite社の評価もうなぎ上りになることでしょう。

しかし現実的には、これがまかり通ってしまえば、すべてのスマートフォンが警察によって監視される可能性があることを示しています。はたして、今後どのような動きを見せていくのでしょうか。

それにしても、アメリカ全体にこれだけの影響を及ぼしている企業が、今日までほとんど知られていなかったというのも興味深いですよね。ちなみに、このCellebrite社は、ファミコンの名作「いっき」を発売した日本のサン電子の子会社。これを受けて、東証における24日のサン電子の株価がストップ高になるという現象も発生しています。

image by Cellebrite

source: Reuters / 1, 2, 3 , The Intercept , Motherboard , FPDS , Cellebrite , ars technica

Kate Knibbs - Gizmodo US[原文

(渡邊徹則)